インテルは4月2日、モバイルインターネット端末(MID)など組み込みデバイス向けの「インテルCentrino Atomプロセッサ・テクノロジ」と、同テクノロジに搭載されるMID向けプロセッサ「インテルAtomプロセッサ」を発表した。Atomプロセッサは、開発コード名「Silverthorne」と呼ばれていたものだ。
インテル 代表取締役共同社長の吉田和正氏は、「Centrino AtomとAtomプロセッサの登場で、フルインターネットを体験できるポケットサイズの端末が次々と市場に出回るだろう。ユーザーがインターネットを利用する形態も変化していく」と述べた。
Centrino Atomプロセッサ・テクノロジは、Atomプロセッサと、グラフィックス機能内蔵の低消費電力コンパニオンチップ「インテル システム・コントローラー・ハブ」、そしてワイヤレス接続機能が含まれている。
Atomプロセッサは、これまでインテルが提供してきたプロセッサの中で大きさが最小で、ダイサイズは25平方mm以下。High-k(高誘電率)ゲート酸化膜とメタルゲートを採用した45ナノメートルプロセス技術によって製造されており、ダイには4700万個のトランジスタが集積されている。
フロントサイドバスは533MHzおよび400MHzで、ハイパースレッディング技術にも対応している。また、同プロセッサはクライアントPC向けのプロセッサ「インテルCore 2 Duoプロセッサ」の命令セットとの互換性を維持している。
Atomはインテルにとって最も消費電力の低いプロセッサとなる。同プロセッサのTDB(熱設計電力)は0.65〜2.4ワットで、平均電力は160〜200ミリワット、アイドル時の電力は80〜100ミリワットだ。インテル IA技術部長の土岐英明氏によると、通常プロセッサで1%の性能向上を実現するには、3%の消費電力が増加してしまうというのが業界の基準だったが、「Atomでは1%の性能向上を1%の消費電力の増加で実現した」と述べ、Atomが環境にやさしいプロセッサであると説明した。