Microsoftは米国時間4月21日、Windows XP Service Pack 3(SP3)の最終的なコードをRTM版(Release to Manufacturing:製造工程向けリリース)としてリリースした。今回のアップグレードでは、「WPA2」や、Windows Vistaで用いられている「Peer Name Resolution Protocol」(PNRP)のサポート、その他の機能が提供されている。一般ユーザー向けのバージョンは、29日にウェブからダウンロード可能となる予定だ。初期のインストール作業を検証した結果、(SP3への)アップグレードは、ほとんどのWindows XPユーザーにとって、ストレスなく簡単に行えるものとなりそうだ。
Windows XP向けには、これまででは最後のサービスパックとなるSP2が、2004年8月にリリースされている。(SP2の)当初のリリースは、一部のユーザーにとっては、ダウンロードしてインストールするのに一晩中かかる作業となった。Microsoftは、当初の一般ユーザー向けリリース時期を、2004年6月から延期せざるを得なかった。コードには依然として多数の不具合があったにもかかわらず、Windows XP SP2は、2004年8月20日に正式に公開され、Microsoftは、ユーザーがアップグレードを受け入れるように説得するのに、かなりの努力を払うことを強いられた。
Windows XP SP2は、新しい「Windows Security Center」や、ファイアウォールの改良、その他の新機能の追加が特徴となった。
しかしながら、Microsoftが、Windows Vistaの開発に注力していた間に、リリースが何年も遅れたSP3には、新機能の追加という特徴は備わっていない。
Microsoftは、以前にアップデートの形でリリース済みの機能が、SP3に含まれると明らかにしている。おそらくSP3のダウンロードおよびインストールが、われわれのテストシステム上で非常に簡単だったのは、そういう理由であると思われる。XP SP3のダウンロードに必要なのは、わずか30分で、インストールには10分を要するのみである。
ホームユーザーにも関係するアップデート内容には、以下の点が含まれている:
- IEEE 802.11i規格から派生した最新規格に基づくワイヤレスセキュリティソリューションであるWPA2のサポート。
- パケットが自動的に破棄しているルータを検出する、「ブラックホール」ルータ検出機能の改善。Windows XP SP3は、この保護機能をデフォルトで有効にする。
- 「Microsoft System Center Configuration Manager 2007」および「Windows Live OneCare」で必要となるBITS 2.5。
- Peer Name Resolution Protocol(PNRP)により、Windows XPアプリケーションが、PNRPを使用しているWindows Vistaプログラムと、PNRPを介した通信が可能になる。
- 新たな拡張機能、Microsoftが「Windows Installer 3.0」で発見した問題の修正などが含まれたWindows Installer 3.1。
- ドメインに参加しているコンピュータにログオンするユーザーが、アプリケーションとサービスに対する各自の資格情報やプライベートキーに自動的にアクセス可能にするDigital Identity Management Service(DIMS)。
しかしながら、以下のような改善点は、必ずしもホームユーザーにとって関連性があるわけではないかもしれない:
- 多様なツールにわたる一般的なナビゲーション、メニュー、ツールバー、ワークフローが提供されるMMC 3.0フレームワーク。
- 信頼性、セキュリティ、XML 1.0およびXML Schema 1.0 W3C勧告への準拠の強化、System.Xml 2.0との互換性の確保を提供するMSXML6。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ