Climate Savers Computing Initiative(CSCI)は5月28日、日本における地球温暖化対策への取り組みを強化するにあたって、グリーンIT推進協議会との協力関係を拡大すると発表した。
CSCIは、2007年6月にGoogleとIntelが中心となって設立した非営利団体だ。CSCIの役目について、同団体の代表でIntelのエコテクノロジー推進本部長でもあるLorie Wigle氏は、「PCやサーバのエネルギー効率を向上させることと、電源管理機能の利用を促進することだ」と話す。設立以来CSCIでは、エネルギー効率の向上に向けた目標の設定や、メッセージの発信を中心としたマーケティング活動などを行ってきた。
今回CSCIは、グリーンIT推進協議会と協力し、エネルギー効率向上のための普及啓発や情報交換、電源管理の使用を推進していく。Wigle氏は、「ノートPCはスリープモードを利用するなど電源管理が行われていることが多いのに対し、デスクトップPCではまだ電力削減対策がなされていない」と警告している。
また、両団体はそれぞれの会員に対する相互入会も促進する。
グリーンIT推進協議会の他にも、CSCIは各国の政府関連団体とパートナーシップを結んでいる。米環境保護庁とは、電気機器の省電力化プログラム「Energy Star」の規格策定などで協力しているほか、中国電子学会節能工作推進委員会(中国電子エネルギー削減委員会)とは、規格統一やエネルギー効率の高い製品の開発を進めている。
Intelは、同じく地球温暖化対策への取り組みを推進するGreen Gridの中心メンバーにもなっている。Wigle氏は、Green GridとCSCIの違いについて、「この2つの団体は補完的な役目を果たしている」と話す。同氏によると、CSCIはサーバやPCなど個々の機器を対象としてエネルギー効率を高めるように働きかける一方、Green Gridはデータセンターの機器と設備全体を対象としたエネルギー効率化に努めているという。「例えば、データセンター内における個々のサーバの電源管理についてはCSCIが担当し、データセンター全体の設備として電力がいかに使われているかを見るのはGreen Gridの役目だ」とWigle氏は説明する。
同じ仕事を別々の団体でやっていては無駄が生じるため、「お互いのカバー分野がかぶらないよう、気を付けている」とWigle氏。Intelを含め、両方の団体に所属する企業が多いことから、無駄な作業はいまのところ発生していないという。
CSCIでは、2010年までに世界中のコンピュータから排出されるCO2を年間5400万トン削減することを目標としている。これは、1年あたり1100万台の自動車を路上から削減することに相当するが、Wigle氏は「すでに技術的には可能な数字だ」としている。