「理性的に、そして私のやり方で。」
このメッセージが書かれたステッカーがバンパーに貼ってあるのを見て、私は笑ってしまった。確かに、他人までが私のやり方で事を進めてくれれば、意見の不一致など起こらないに違いない。しかし、現実はそううまくはいかない。実際、もし会社で仕事をしていて意見の不一致に一度も出会わなかったとすれば、それは非常に珍しいことと言えるだろう。意見の不一致は望ましくないと思う人もいるかも知れないが、必ずしもそうではない。適切に処理されれば、意見の不一致は前向きな進歩や予期していなかったソリューションに繋がる場合も多い。この記事では、意見の不一致をコントロール下に置くためのいくつかのヒントを示す。
- 意見の不一致が本当にあるのかどうかを確認する 「乱暴な同意」というのを見たことはないだろうか。これは、他人がやっているのを見る分にはおかしいものだ。例えば、次のようなものだ。
- 月曜日のAの発言「この新商品は少なくとも2日後までは市販されないらしい」
- Bの発言「そんなのはおかしいぞ。木曜までは手に入らないはずだ!」
- Aの発言「Babe Ruthはヤンキースの選手だ」
- Bの発言「ばか言うな。彼はレッドソックスの選手だ」
ここには、特に意見の不一致はないのが分かるだろうか。ありそうなことは、Bは必要な日数ではなく具体的な曜日を聞くことを期待していたということだ。つまり、Bは注意して聞いてすらいなかったのかもしれない。この場合、Aはその後で「待て待て、同じことだろう。木曜は月曜から2日以上後だ」などと言っているかも知れない。
乱暴な同意に似ているものに、「乱暴な不同意」がある。例えば次のようなものだ。
Bの間違いは、ヤンキースの選手であるということとレッドソックスの選手であることが互いに矛盾すると考えていることだ。多くの人が知っているように、実際にはBabe Ruthは両方のチームでプレーしている。
誤解の他の例には、時間に関するもの(タイムゾーンの違い)、距離(マイルとキロメートル)、リリースレベル(リリースによって機能が異なっている)などがある。
他にも例はいくらでもあるが、要点は理解してもらえただろう。不一致に見えるものは、よく検討すれば不一致ではないかもしれない。他の人の話をよく聞いて、本当に言っていることに違いがあるのかを確かめるべきだ。