企業に「メンタルヘルスの不調により1カ月以上休職している社員がいるか」と尋ねたところ、6割強の企業が「いる」と回答しました。規模別に見ていくと、300人未満の企業で73.4%、300〜999人の企業では67.1%、1000人以上の企業では93.2%にのぼります。規模が大きくなればなるほど「いる」と回答した割合が高くなっています。この割合を実際の人数でみると、1社あたり9.5人の休職者がいることになり、従業員比では0.5%となります(労務行政研究所調べ)。
医療機関を受診し、医師から「休職してください」と言われても、いざ自分がその0.5%に加わるとなると、なかなか決断できませんよね。そもそも「休職の基準ってあるの?」という疑問にぶつかってしまうかと思います。
休職の基準はあるのか
「休職の一般的な基準はあるのかないのか?」と聞かれると、一般的にはないのが現状です。うつ病の判断基準はあっても、「休職」についての明確な判断基準はありません。個人個人の病状や症状、仕事の状況、職場のサポート体制など、さまざまな状況を医師が考慮し総合的に判断しています。
また、休職の診断書をもらっても、実際に休職するか否かを決める最後の決断は本人に委ねられています。一般的な基準がない中で、個人が「休職するか否か」を決めるのは非常に難しいことです。自分の状況や行動を振り返り、仕事の遂行が可能か否かを自分で決めるしかないのです。
そこで、休職の決断をするにあたっての簡単なチェックポイントを5つ紹介します。
- 朝、起きられない
- 夜、眠れない
- 会社に行っても、人と目をあわせることができない
- 会社で誰とも話す気力が沸かず、コミュニケーションをとろうと思わない
- 書類の文字、PCの画面の内容が頭に入らず、目で追うのが精一杯
このような症状で仕事にも悪影響が出ていると感じたら、真剣に休職を考えてください。
休職は治療への近道
うつ病の特効薬は「じっくり休養をとること」です。仕事と治療を平行して続けるのも一概に否定はできませんが、思い切って休んでみてはいかがでしょうか。