MS、ブラウザ版「Office 14」の計画を正式発表--「Google Apps」に対抗

文:Ina Fried(CNET News.com) 翻訳校正:緒方亮、高森郁哉

2008-10-29 11:32

 ロサンゼルス発--ウェブベースの生産性アプリケーションの意義を長年にわたり疑問視してきたMicrosoftが米国時間10月28日、標準的なウェブブラウザ上で実行できる「Word」「Excel」「PowerPoint」の新バージョンを提供する予定であることを認めた。

 CNET Newsが10月20日に最初に報じたように、Microsoftは同社がここロサンゼルスで開催しているProfessional Developer Conference(PDC)で、ブラウザベースの「Office」を披露した。

 Microsoftのビジネス部門プレジデントを務めるStephen Elop氏はインタビューの中で、ブラウザ上での編集機能は、次期バージョンのOffice(開発コード名「Office 14」)と併せて開発中だと語った。同社は次期Officeの正式な出荷時期について明言していないが、Elop氏によると、ブラウザ上で動作する製品の技術プレビュー版が2008年中、ベータ版は2009年にそれぞれリリースされる予定だという。

 Microsoftは、ブラウザベースのWord、Excel、PowerPointを2通りの方法で提供する計画だ。個人ユーザー向けには、これらは同社の「Office Live」のウェブサイトを通じて提供される。一方で企業は、Microsoftの「SharePoint Server」製品を通じて、ブラウザベースのOffice機能を従業員に提供できるようになる。

 Microsoftは、かねてから無料の「Google Apps」を提供しているGoogleの圧力により、この分野へ参入することになった。Googleに対抗するため、Microsoftは、使い慣れた同社のユーザーインターフェースを利用できることや、文書の特徴がすべて保たれることを宣伝している。

 「現時点で競合の製品を使って、たとえばWord文書を読み込ませた後に書き出すと、認識できない部分も出てくる」とElop氏は述べた。「再現性が大いに損なわれる」

 Elop氏によると、デスクトップ版製品の編集機能のすべてがブラウザ版に搭載されるわけではないという。「われわれは(ブラウザ版の)編集機能について、軽量級の編集として特徴づけている」と同氏は述べた。

 Google Appsは、人気の大半が個人ユーザーによるものだったが、法人顧客の注目も集め始めている。Procter & GambleはGoogle Appsに強い関心を寄せたが、Microsoftからの強力な売り込みを受けた後、結局はOfficeの使用継続を決めた。Elop氏によると、Microsoftはこの売り込みの中で、ウェブ版Officeアプリケーションの計画について詳細を提供したという。

 「これが交渉の一部の要件になっていたことは確かだ」とElop氏は述べた。「状況に応じて程度の差はあるが、われわれはこうした情報を顧客と共有してきた」

 Elop氏は、具体的な社名は挙げなかったが、Microsoftは他の顧客企業についてもGoogleと競合状態にあることを認識していると述べた。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    初心者にも優しく解説!ゼロトラストネットワークアクセスのメリットと効果的な導入法

  2. ビジネスアプリケーション

    改めて知っておきたい、生成AI活用が期待される業務と3つのリスク

  3. ビジネスアプリケーション

    ITR調査結果から導くDX浸透・定着化-“9割の国内企業がDX推進中も成果が出ているのはごく一部”

  4. セキュリティ

    「iPhone」の業務活用を促進!セキュリティ対策で必ず押さえておきたいポイントとは?

  5. ビジネスアプリケーション

    Google が推奨する生成 AI のスタートアップガイド、 AI を活用して市場投入への時間を短縮

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]