ゴルフダイジェスト・オンラインから学ぶこと
長谷川氏に続いて壇上に立ったのは、ドリコムのユーザーであるゴルフダイジェスト・オンラインのWebサービス部 部長 田村信博氏だ。田村氏は、同社サイトにおけるCGMの取り組みについて語った。

ゴルフダイジェスト・オンラインは2000年にサービスを開始し、現在の会員数は約130万人。月間訪問者数は約370万人で、国内ゴルファーの25%が同サイトを訪問していることになる。同社の展開する事業は主に3つで、自前の倉庫を抱えてゴルフ用品をオンライン販売するEC事業と、自社メディアの運営、そしてゴルフ場の予約事業となっている。
同社では、CGMとして「ゴルファーズブログ」「GDOサークル」「GDOスコア管理」の3サービスを提供している。ゴルファーズブログにおけるブログの開設数は1万件を突破し、スコア管理の登録者数は28万人に達した。同社の会員はもともとゴルフ歴が長く、高スコアの人が多いが、中でも「こうしたコミュニティ機能を利用しているユーザーは、利用していないユーザーに比べてゴルフ用品の購入やゴルフ場の予約を利用する割合が高い」と田村氏は指摘する。
スコア管理サービスやブログサービスは、「会員数の増加に大きく影響した」と田村氏。ただ同氏は、こうしたサービスを運営する中での反省点を3つ挙げた。
1つ目の反省点は、「目的に応じた効果測定項目と、その目標値を事前に設定すべき」という点だ。「コミュニティの目的と役割を設定し、データを収集しつつ目標値に向かって運営することで、的確な判断ができる。そうすれば、適切なリソースを投入でき、コミュニティをもっとパワフルなものにできたのではないか」と長谷川氏は述べている。
2つ目の反省点として同氏が挙げたのは、「超短期間のプロモーションで、コミュニティを使うのは難しい」ということだ。コミュニティは自然に認知が高まるという特性上、短期決戦のプロモーションであれば、よりインパクトのあるテレビや携帯電話を利用するなど、他のメディアを併用する必要があると長谷和菓子は説明する。
そして3つ目の反省点は、「定期的な投資を想定しておくべき」ということだ。Webサービスはすぐに他社が模倣するケースが多いため、「そうした中でトップの地位を確固たるものにするためにも、追加投資は必須だ」と長谷川氏は言う。
これらの点を踏まえた上で、長谷川氏は今後の展開について「今後はコミュニティとメディアを連動させ、広告価値を高めていきたい。また、各ユーザーのステージごとにビジネスゴールを設定し、コミュニティの責任者に数値目標を持たせて運営していきたい」と述べた。