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ウェブの特性を生かした「相鉄Style」に見るコミュニティサイト成功例--ZDNet Japanイベントレポート

長谷川恭久

2008-11-11 17:00

 「オンライン上で利用者とのコミュニケーションをはかるため、企業がコミュニティサイトを立ち上げることがあるが、コミュニティサイトという名の「箱」を作っただけでは人は集まらない」--相模鉄道からコミュニティサイトを立ち上げたいという依頼を受けた時、イー・エージェンシー 代表取締役社長 甲斐真樹氏の頭に浮かんだのはこの課題だ。甲斐氏はZDNet Japan主催のイベント「ZDNet Japan Social Technology Conference 2008」にて、同社が手がけた相模鉄道のコミュニティサイト「相鉄Style」について語った。

住民をライターに迎えた相鉄Style

甲斐氏 イー・エージェンシー 代表取締役社長 甲斐真樹氏

 調査と試行錯誤の末完成した相鉄Styleは、2004年のオープン以降コンセプトをぶらさず、今ではユニークユーザー数が10万人、ページビューは100万を超えるサイトに成長している。相鉄沿線の人口は100万人と言われているため、沿線人口のおよそ10%が相鉄Styleを観覧していることになる。

 相鉄沿線のおすすめ情報を配信するこのサイトは、2004年当時では珍しくシックス・アパートの「Movable Type」を利用したブログベースのウェブマガジンで、地域住民らがライターとして参加している利用者中心のウェブサイトだ。オープン当時は130の記事しかなかったが、現在はその約30倍の記事数に増え、ライターの数も180人にまで成長した。地域に限定した情報サイトがここまで大きく成長したのも、甲斐氏をはじめとしたイー・エージェンシーが、企業と利用者のニーズと関係を再確認し、ウェブにおけるコミュニケーションの形を今までの形に捕われないで組み立てたからだろう。

 甲斐氏がこのコミュニティサイトの構築において重視したのは「企業と住民のベクトルを同じ方向に向けること」だ。いずれかにとって都合の良い場でなく、双方にとっての目的が達成できる場こそコミュニティサイトの重要な視点なのだ。制作前に調査した競合サイトはいずれも特定の路線に特化し過ぎている上、読者のフィードバックもできず、情報が一方通行なウェブマガジンばかりだった。また、更新頻度も低く検索ができない競合サイトも多く見られたという。

 甲斐氏が考えたのは、「人の生活がひとつの路線で固定されることは現実にありえない」という点だ。そこで、路線はゆるく残しつつも、生活エリアに注目した利用者と交流できる場が必要になってくる。既に住民が他のコミュニティサイトで活発にコミュニケーションをしているのではあれば、そのサイトを使って交流すれば良いという提案もあったが、相鉄線をキーワードにしたコミュティサイトは当時なかったこともあり、1からの本格的な制作がスタートしたという。

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