インド人の複雑な心境
しかし、インド人が英語を話せるのは内紛につけこまれて大英帝国に占領されてしまったからである。そして、ITで栄えるバンガロールは、かつてイギリス人の避暑地であったのだ。今やその英語が武器となって、欧米のオフショアセンターとして君臨するに至ったインド。インド人にその占領が良かったかと聞けば、その思いは複雑だというが、結果的にはメリットも大きかったことは認めざるをえない。
では、彼らが自分たちの言葉を失ったかと言うと決してそうではない。教育を受けたインド人は最低でも3ヶ国語は話すという。それは、英語、ヒンディー語、そして自分の生まれ育った土地の言葉である。彼らはそれらを巧みに使い分けながら生活を営んでいる。あるインド人が言うには、もし、イギリスが占領しなければ、インドは今でもバラバラだっただろうと。そして、これだけ言葉に長けたインド人なだけに、日本語が達者なインド人は、びっくりするほど上手なのである。
下手な英語でも
とはいえ、世の中インド人ばかりじゃないので、やっぱり英語での苦労は絶えない。でもよくよく考えてみれば、日本語だって相手の言っていることを100%聞き取っているわけでもない。かつて、ブログの方で何回か登場したM田君と話すときなど、大抵5%くらいしか聞き取っていないが十分会話は成り立つのである(ごめんよM田)。なぜか英語だと100%聞き取れないといけないような脅迫観念にかられるが、コミュニケーションにおける言葉の占める割合なんて所詮20%程度。半分も判ればコミュニケーションは十分に取れるのである。
赴任したのはイギリスだったのにインド英語が得意になるとはねぇ。