米国時間12月8日に、Mozillaは「Firefox 3.1」ベータ2をリリースし、Googleも「Chrome 0.4.154.33」をリリースした。いまや最新のJavaScriptパフォーマンスをテストする上で、機は熟したと考えられるだろう。
次のような注目すべき結果が明らかになっている。「SunSpider」のテストでは、Firefoxが2110点を獲得してトップを守ったものの、Chromeは2140点を獲得し、僅差で2位につけている(SunSpiderのテストは、スコアが低いほど、パフォーマンスが良いことを意味している)。複数回のテスト結果には、若干の変化も見られたため、筆者が、ここに引用したスコアは、何度か実施したテストの平均点となっている。
FirefoxとChromeが、発表されている唯一のブラウザであるというわけではないのだが、この2つのブラウザを比較するのは、以下のような理由から、非常に興味深い。まず最初に、どちらのブラウザも、ブラウジングエクスペリエンスの新たなアイデアによって、鳴り物入りで立ち上げられたオープンソースプロジェクトである。次に、その哲学的な要素ゆえに、両ブラウザとも、同じようなアーリーアダプター層の心をとらえやすい存在である。最後に、どちらのブラウザでも、Chromeには「V8」という、またMozillaには「TraceMonkey」という、新たなJavaScriptエンジンが採用されている。TraceMonkeyは、Firefox 3.1のベータ2にて、デフォルトでオンとなった。
JavaScriptは、「Gmail」や「Google Docs」などの高度なウェブサイトの構築に用いられるが、より一般的な分野でも、幅広く活用されるようになっており、JavaScriptのパフォーマンスが高速であるほど、望ましいといえる。しかしながら、Googleは、コンピュータ上の一般的なソフトウェアの実行速度に近いスピードで、ウェブベースのソフトウェアを稼動させることを目指した、新たな「Native Client」ソフトウェアを用いた研究プロジェクトによって、JavaScriptを使用しないウェブアプリケーションの可能性を模索してもいる。
ちなみに注意しておいてほしい点だが、読者が独自にテストを実施する時には、別のスコア結果が出る可能性もあることも銘記していただきたい。筆者は、今回のテストを、3Gバイトのメモリを装備し、Windows XPを搭載する、デュアルコアの「Lenovo T61」ノートPC上で実施した。JavaScriptは、ウェブ閲覧時のパフォーマンスの一面に過ぎず、ブラウザ全体の真の姿の一面を表すものでしかないのも事実である。また、どちらのソフトウェアも、現時点ではベータ版に位置づけられ、特にChromeは、開発者向けベータ版である。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ