WindowsにInternet Explorer(IE)をバンドルする行為は同地域の独占禁止法に抵触すると、欧州の規制当局がMicrosoftに通告した。米国時間1月16日、Microsoftが明らかにした。
欧州委員会がこの問題の調査に乗り出したのは2008年1月のこと。2007年に競合ブラウザメーカーOperaから、Microsoftが独占的地位を利用してWindows OSにIEをバンドルしているとの申し立てを受けたことがきっかけとなった。
欧州委員会が公開した声明は以下の通り。
委員会では、調査で集めた証拠から、Internet ExplorerをWindowsに結びつける行為によって世界のPCの90%でInternet Explorerが使用可能となっており、ブラウザ同士の競争が阻害されていると考えるに至った。(バンドル行為によって)Internet Explorerには、他のウェブブラウザでは不可能な、流通上の優位性が意図的に与えられている。
Microsoftはバンドル行為を通して、他のブラウザとInternet Explorerの直接対決を避けている。このことが、最終的には消費者の手に届く製品のイノベーションの速度や品質に不利益をもたらすと、委員会は懸念する。
さらにInternet Explorerが偏在する状況は、コンテンツプロバイダーやソフトウェア開発者たちに、何よりまずInternet Explorerに対応したウェブサイトやソフトウェアを設計するよう意図的に動機付けている。これにより、消費者サービスという観点において、競争やイノベーションを阻害するリスクがある。
欧州委員会の広報担当は、Microsoftがブラウザ搭載版および非搭載版のWindowsを提供することに関する議論があったのか否かについて、コメントを避けた。同委員会は以前、Windows Media PlayerをOSから切り離し、同プレーヤーの搭載版および非搭載版のOSを提供するよう命じている。
Microsoftの広報担当は、プレスリリースに書かれたこと以上の情報はないとして、コメントを避けた。
Microsoftは同委員会の異議告知書(Statement of Objections)に対し、以下のように述べている。
われわれは欧州の法律に完全に準拠してビジネスを遂行する意向である。現在は異議告知書を調べているところである。
Microsoftは欧州委員会の異議通告書への回答文書を提出するまでに2カ月の猶予を与えられる。また、口頭審理を要求する機会も与えられる。Microsoftからの文書または口頭審理での答弁を評価し、委員会は最終判断を下すことになる。最終判断として、制裁金、執行命令、改善命令などが課される可能性がある。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ