タイムワーナー、AOLの不振により第4四半期決算は赤字

文:Larry Dignan(ZDNet.com) 翻訳校正:佐藤卓、長谷睦

2009-02-05 11:03

 Time Warnerが米国時間2月4日に発表した2008会計年度第4四半期(2008年10-12月期)の決算報告は、AOL部門の不振もあり、事前の予想よりさらに厳しい結果となった。

 Time Warnerがこの日行った発表によると、AOLの第4四半期の売上高は前年同期から23%減の9億6800万ドルだった。前年同期と比べて、AOLの広告収入は18%減、加入者収入は27%減だった。また、19億ドルの営業損失も計上しているが、この大部分は営業権評価損に関連した22億ドルの非現金費用によるものだ。要するに、AOLが買収したBeboなど多数の企業は、Time Warnerが支払った金額ほどの価値などまるでなかったということだ。

 2008年通期では、AOLの売上高は前年通期から20%減となる42億ドルで、加入者収入と広告収入の落ち込みが足を引っ張る形となった。加入者収入は31%の下落、広告収入は6%の下落だった。

 だが、数の上ではAOLはいまだに驚くべき規模を保っており、米国での月間ユニークユーザー数は平均1億900万人に達している。それに、信じがたいことだが、同社にネット接続料を支払っているユーザーが今でも690万人いるのだ。

 連結決算では、Time Warnerの第4四半期は160億ドル(1株あたり4.47ドル)の純損失となった。売上高は前年同期比3%減の123億ドルだったが、巨額の評価損により損益では赤字を計上することになった。こうしたさまざまな評価損がなければ、1株あたり23セントの黒字だったとTime Warnerは報告している。ウォール街のアナリストの平均予想は、1株あたり26セントの黒字だった。

 通期では、Time Warnerは134億ドルの純損失となったが、売上高は2007年の465億ドルをやや上回る469億ドルだった。声明の中で、同社は株式併合の可能性にも言及している。

 2009年について同社は、調整後の利益は1株あたり66セントの黒字だった2008年と同程度になるとの見通しを示している。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. ビジネスアプリケーション

    生成 AI 「Gemini」活用メリット、職種別・役職別のプロンプトも一挙に紹介

  2. セキュリティ

    まずは“交渉術”を磨くこと!情報セキュリティ担当者の使命を果たすための必須事項とは

  3. ビジネスアプリケーション

    急速に進むIT運用におけるAI・生成AIの活用--実態調査から見るユーザー企業の課題と将来展望

  4. クラウドコンピューティング

    Snowflakeを例に徹底解説!迅速&柔軟な企業経営に欠かせない、データ統合基盤活用のポイント

  5. ビジネスアプリケーション

    AI活用の上手い下手がビジネスを左右する!データ&AIが生み出す新しい顧客体験へ

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]