MSとレッドハット、仮想環境での一体的サポートを提携--特許条項は含まれず

文:Matt Asay(Special to CNET News.com) 翻訳校正:佐藤卓、小林理子 2009年02月17日 14時19分

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 Microsoftは長年にわたり、同社の特許ポートフォリオが相互運用性の議論に向かう前提であることを、オープンソースベンダーは認識していると主張してきた。しかし、同社は米国時間2月16日、そうした言い逃れをやめて、仮想化の相互運用でRed Hatと提携することを発表した

 この提携にはいくつかの重要な内容が含まれており、それらはすべて仮想化に関するものだ。

  • Red Hatは、「Red Hat Enterprise Linux」の仮想化技術でサポートを提供するよう「Windows Server」ゲストを検証する。
  • Microsoftは、「Windows Server Hyper-V」および「Microsoft Hyper-V Server」でサポートするべく、Red Hat Enterprise Linuxサーバゲストを検証する。
  • 両社が互いにテストを完了した時点で、有効なサポート契約を結んでいる顧客は、Red Hat Enterprise Linuxの仮想環境で実行するWindows Serverオペレーティングシステム、およびWindows Server Hyper-VとMicrosoft Hyper-V Serverの仮想環境で実行するRed Hat Enterprise Linuxについて、一体的な技術サポートを受けられるようになる。

 相互運用性は本来こうあるべきという形どおりの素晴らしく簡潔な取決めであり、Microsoftの技術をRed Hatの技術と同時に利用したいという顧客の要求に応えたものだと、Microsoftの仮想化戦略担当ゼネラルマネージャー、Mike Neil氏は言う。Linuxベンダーの最大手企業がMicrosoftと提携したことは、顧客にとって大きな勝利だ。

 Red HatがMicrosoftと締結した今回の相互運用の取り決めで重要な点は、特許に関する条項がまったく含まれていないことだ。かつて特許条項を含めたことで、Novellは、オープンソースコミュニティからの猛烈な批判に晒された

 今回の提携は、サーバの仮想化を使用するMicrosoftとRed Hatの両方の顧客に対して一体的な技術サポートを提供するものであり、これらの提携に伴う活動で知的財産の共有が必要となることはない。したがって、今回の提携では、特許やオープンソースライセンスに関するいかなる権利も対象になっていないだけでなく、業界標準の認証/検証テストにかかる費用を除き、金銭に関するいかなる条項も存在しない。

 Red Hatは長い間、特許に関する議論は真の相互運用性を妨げるだけであり、相互運用性の管理はオープンソースとオープンスタンダードによって行うのが最適だと主張してきた。

 Red Hatは以前こうした相互運用性について、ほとんど実効性のない業界団体の「Interop Vendor Alliance」でMicrosoftと行動を共にすることでお茶を濁していたが、今回の提携は、Red Hatが相互運用性について直接Microsoftと取り組んだ初めての事例となる。

 一般には知られていないが、NovellとMicrosoftが提携する前、Red Hatは1年間にわたってMicrosoftと相互運用の取り組みについて話し合いをしていた。だが、最終的にはMicrosoftが、Novellとの交渉で盛り込んだのと同様の、特許に関する訴訟を起こさないとする条項を加えようとして話し合いを壊してしまった。Red Hatは、こうした不要な条項を盛り込むことを拒否して交渉のテーブルを離れ、MicrosoftはNovellと提携して、オープンソースを攻撃する口実に相互運用性を利用した。

 Red HatとMicrosoftの両社は16日、特許に関して密室で取り引きをしなくても相互運用性が実現できることを示した。いずれにせよ、Microsoftは欧州委員会から特許に対する姿勢をオープンにするようますます強く求められていることは、Red Hatの特許に対する断固とした姿勢が正しかったことを示すものだ。だが、今回の発表はMicrosoftが、オープンソースベンダーとの付き合い方に関して、大人の考え方をするようになりつつあることを示唆している。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
関連キーワード
OS

関連ホワイトペーパー

SpecialPR

  • ビジネスの継続的な成長を促す新たなITのビジョン

    多くの企業においてITに求められる役割が、「守り」のコスト削減から「攻め」のビジネス貢献へとシフトしつつある。その中でIBMが提唱する新たなビジョンEnterprise Hybrid ITとは?

  • デジタル変革か?ゲームセットか?

    デジタルを駆使する破壊的なプレーヤーの出現、既存のビジネスモデルで競争力を持つ
    プレイヤーはデジタル活用による変革が迫られている。これを読めばデジタル変革の全体像がわかる!

連載

CIO
研究現場から見たAI
ITは「ひみつ道具」の夢を見る
内製化とユーザー体験の関係
米ZDNet編集長Larryの独り言
今週の明言
「プロジェクトマネジメント」の解き方
田中克己「2020年のIT企業」
松岡功「一言もの申す」
林 雅之「デジタル未来からの手紙」
谷川耕一「エンプラITならこれは知っとけ」
Fintechの正体
内山悟志「IT部門はどこに向かうのか」
情報通信技術の新しい使い方
三国大洋のスクラップブック
大河原克行のエンプラ徒然
コミュニケーション
情報系システム最適化
モバイル
通信のゆくえを追う
セキュリティ
セキュリティの論点
ネットワークセキュリティ
スペシャル
座談会@ZDNet
Dr.津田のクラウドトップガン対談
CSIRT座談会--バンダイナムコや大成建設、DeNAに聞く
創造的破壊を--次世代SIer座談会
企業決算を追う
「SD-WAN」の現在
展望2017
IBM World of Watson
de:code
Sapphire Now
VMworld
Microsoft WPC
HPE Discover
Oracle OpenWorld
Dell EMC World
AWS re:Invent
PTC LiveWorx
古賀政純「Dockerがもたらすビジネス変革」
さとうなおきの「週刊Azureなう」
誰もが開発者になる時代 ~業務システム開発の現場を行く~
中国ビジネス四方山話
より賢く活用するためのOSS最新動向
「Windows 10」法人導入の手引き
Windows Server 2003サポート終了へ秒読み
米株式動向
実践ビッグデータ
日本株展望
ベトナムでビジネス
アジアのIT
10の事情
エンタープライズトレンド
クラウドと仮想化