Microsoftの検索エンジン「Bing」の一般公開が開始された。同社の最新検索エンジンがGoogleに対抗するものを備えているのか、世界が判断できるようになった。
「Live Search」に替わる新エンジンBingは、米国時間5月28日にカンファレンスD: All Things Digital(D7)で初披露された。同サービスが完全に利用可能になるのは6月3日の予定となっている(Microsoftの話では、6月1日に一般利用が可能になるものの、完全な立ち上げは3日までかかるということだった)。
検索エンジンが新しくなるのにともない同社サービスの名称変更も行われている。「Live Search Cashback」は「Bing Cashback」となり、MicrosoftがFarecast買収で得たテクノロジは「Bing Travel」として活用される。「Virtual Earth」は(私のノートPCではアップグレードはまだだが)名称が変わり、「Bing Maps for Enterprise」となる。
BingによってMicrosoftは、現在の検索が多くの場合まだ満足できない体験であることをはっきりさせようとしている。これはMicrosoftとしては珍しいチャレンジだ。同社の調査では、検索者の大半は検索を繰り返したあげく、探していたズバリのものを見つけることなくあきらめてしまうことが示されているが、実のところ、検索の感覚的な満足度はかなり高い。
自らの主張を補強するため、Microsoftは(Yahooの最高経営責任者Carol Bartz氏の言葉を借りると)「何隻もの船を満杯にする」ような金額を宣伝に費やす計画だ。各広告業界誌の見方では、推定額は8000万ドルから1億ドルとされている。
宣伝は重要だ。というのも現時点で、これまでの検索方法を変えてまでMicrosoftのテクノロジを利用している人はほとんどいない。Microsoftの検索は大半がツールバーなどを経たMSNからのもので、ブラウザのアドレスバーに実際に「Live.com」と打ちこんでやってくる人はほんの1〜2%程度だ。
Collins StewartのアナリストSandeep Agarwal氏は、6月1日付の研究ノートで「Live.comのトラフィックの98%近くは消極的な(MSNなどからの)ものであり、Bingは、Microsoftが自社の検索サービスを積極的なトラフィックが多い目的地サイトとして確立する試みとなる」と位置づけ、「われわれの見るところ、Microsoftの検索テクノロジがプライムタイムを迎える準備は整ってはいるものの、Bingの成功を現時点で判断するのは時期尚早だろう」と述べている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事をシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。原文へ