--ネットブック・・・ネットは網だから、漁師さんのおもちゃか何か?
いいや。答えにかすりもしてないね。
ネットブックは、自称コンピュータ好きなら知っていなくてはいけない、最新の道具だよ。持ち運びできるコンピュータとしては究極のもので、ラップトップとスマートフォンの中間くらいの位置づけの小さなデバイスだ。
--もう少し詳しく説明してくれないかな。
一般にネットブックという用語は、ウェブサーフィンやオフィスの外での作業、簡単なエンターテインメントのために設計された、非常に携帯性に優れた、性能の低いラップトップのことだ。
一番重要なのは携帯性で、普通はネットブックの重さは1.5kg以下、画面のサイズは10インチ以下のことが多いね。
ネットブックは外出している時にネットワークに接続することを目的にしているので、これらのデバイスで重要なのは、ウェブと電子メールにアクセスできることだ。
--性能が低いというと?
市場に出ているネットブックのほとんどには、IntelのAtomプロセッサが入っている。このプロセッサは携帯型のインターネットデバイスを念頭に設計されたもので、移動先でウェブサーフィン、文書処理、電子メールをできるだけの性能しか持たせていない。つまり、バッテリーの持ちがいいということ。外出先でつながり続けるには、それが一番重要なんだ。
--こんなに大流行になってるのはどうして?
One Laptop Per Child(OLPC)のX0ラップトップのことは聞いたことがあるかな。「100ドルラップトップ」とも言うやつだ。このデバイスは、開発途上国向けの低価格ラップトップへの道を開いた。しかし、2007年にEee PCを発売して、一般消費者の世界に低価格ラップトップを持ち込んだのは、台湾のPCメーカーAsusだ。最初のEee PCは、7インチの小さな画面しか持たず、OSもWindowsではなくて、オープンソースのLinuxをOSとして採用していた。
OLPCの100ドルラップトップ
その後、あらゆるPCメーカーがパイの分け前を求めて、この携帯端末市場に参入してきていて、Acer、Dell、Lenovoなどもすぐに製品を出している。このお祭りに参加していない企業の中で目立った存在と言えば、Macを作っているAppleだ。Mac OS Xのネットブックがいつ現れてもおかしくないという噂が出回っているが、最高執行責任者(COO)のTim Cook氏がそれをはっきり否定しているね。silicon.comのAppleの話題を追いかけている記者Seb Janacek氏は、なぜAppleがこの問題で急いでいないかを詳しく解説する記事を書いている。
--でも、わざわざ持ち運ぶためのマシンをもう1台欲しがる人なんかいるのかな。
どうやら、いるみたいだよ。AsusのEee PCの誕生以来、ネットブックはPC市場をすごい勢いで席巻している。1年間に1000万台も出荷されてるんだ。
市場調査会社のDisplaySearchによれば、2009年のこの時期までのネットブックの出荷台数は、2008年に比べて65%増えている。アナリストも、これらがラップトップ市場の12%を占めるようになるだろうと予想している。数年前には0だったことを考えると、これは大変な大きさだ。