W3Cの「Semantic Technology」カンファレンスにおいて、GoogleとYahoo、Bing、Ask.comという大手検索エンジンを提供している企業と、Web検索の新興企業であるTrueKnowledgeおよびHakiaがパネリストとして参加し、いまだ揺らん期にあるインターネット検索業界を推進していく力となるセマンティック技術の台頭について討論を行った。セマンティック検索(ユーザーの実際の意図をクエリの入力内容からいかに判断するか、およびウェブデータをどのように構造化するかというコンセプト)は、現行のインターネット検索でも十分優れていると考えがちな大半のウェブサーファーにとって、馴染みのないコンセプトである。
しかし、Ask.comでグローバルサーチ&アンサー部門を担当しているエグゼクティブバイスプレジデントであるTomasz Imielinski氏によると、それは違うという。同氏は「ほとんどのユーザーは、優れた検索がどのようなものであるかを知らない」と述べ、iPodが登場するまで、人々は自らが使っていたポータブルミュージックプレイヤーに満足していたことを引き合いに出してみせた。
W3Cのテクニカルスタッフと30社以上のメンバー企業が参加して開催されたセマンティック技術に関するこのカンファレンスには、丸5日間が費やされた。セマンティック技術には、大半の検索者に馴染みのある「10の青いリンク」(検索結果トップ10のリンクを意味し、近頃の検索業界において否定的な意味で用いられている表現)ではなく、より魅力ある検索結果を表示するための、ウェブパブリッシャーと検索エンジン企業によるデータの構造化への取り組みが含まれている。
Yahoo Searchのチーフサイエンティストを務めるAndrew Tompkins氏によると、Yahooはここ数年、この技術に力を入れており、ウェブパブリッシャーが自らのコンテンツをセマンティック標準に従って体系付けることを支援するSearch Monkeyのような製品を世に送り出しているという。Tompkins氏は「今日における主要検索エンジンでは、レストランについての構造化された情報を見つけることができる」と述べ、電話番号や住所といった基本的な情報や、場合によっては所在地の地図へのリンクが提示される状況について説明している。こういったことすべてを可能にするには、皆が標準規約に従う必要がある。