シマンテック、アジア太平洋地域における中小企業のセキュリティ課題をレポート

吉澤亨史

2009-07-02 19:15

 シマンテックは6月30日、中小企業(SMB)におけるセキュリティとストレージの問題について、日本を含むアジア太平洋地域での調査結果を発表した。

 この調査は2月に、Applied Researchによって、日本、韓国、インド、オーストラリア、ニュージーランド、中国、台湾、香港、シンガポール、マレーシアの10カ国で実施された。回答数は600で、従業員数が10人から500人程度の企業を対象としている。

 調査結果によると、2009年度のIT関連費用については、57%が増加すると回答したという。IT投資の優先度合は、システムのアップグレード、自動パッチ管理、データレプリケーションの順であった。

 懸念事項の上位3項目は、ウイルス、データ侵害、USBメモリなどからの機密情報・占有情報の漏えいであった。中小企業の52%がこれまでにセキュリティ侵害の被害を受けているといい、アジア太平洋地域におけるセキュリティ侵害のリスクは世界の他の地域に比べて高くなっている。

 セキュリティ侵害が増加している要因には、システムダウン、ハードウェアの故障、人的エラー、不適切または古いセキュリティソリューションの使用といった一般的な原因のほか、基本レベルでのセキュリティの欠如があるという。また、予算不足や従業員のスキル不足が、中小企業の環境を保護するうえで大きな障壁となっているとのこと。

 一方で、基本的なセキュリティ対策をしている中小企業は少ない。エンドポイント保護ソリューションを採用していない中小企業は56%、デスクトップのバックアップとリカバリのソリューションを採用していない中小企業は53%と、それぞれ半数以上になった。

 ストレージに関する調査結果では、中小企業の70%がデータのバックアップとリカバリについて大きな不安を感じていることわかった。しかし、中小企業の53%はデスクトップのバックアップやリカバリソリューションを導入しておらず、1週間以内の頻度でバックアップを実行している中小企業は45%にとどまった。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    「デジタル・フォレンジック」から始まるセキュリティ災禍論--活用したいIT業界の防災マニュアル

  2. 運用管理

    「無線LANがつながらない」という問い合わせにAIで対応、トラブル解決の切り札とは

  3. 運用管理

    Oracle DatabaseのAzure移行時におけるポイント、移行前に確認しておきたい障害対策

  4. 運用管理

    Google Chrome ブラウザ がセキュリティを強化、ゼロトラスト移行で高まるブラウザの重要性

  5. ビジネスアプリケーション

    技術進化でさらに発展するデータサイエンス/アナリティクス、最新の6大トレンドを解説

ZDNET Japan クイックポール

自社にとって最大のセキュリティ脅威は何ですか

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]