シマンテックは6月30日、中小企業(SMB)におけるセキュリティとストレージの問題について、日本を含むアジア太平洋地域での調査結果を発表した。
この調査は2月に、Applied Researchによって、日本、韓国、インド、オーストラリア、ニュージーランド、中国、台湾、香港、シンガポール、マレーシアの10カ国で実施された。回答数は600で、従業員数が10人から500人程度の企業を対象としている。
調査結果によると、2009年度のIT関連費用については、57%が増加すると回答したという。IT投資の優先度合は、システムのアップグレード、自動パッチ管理、データレプリケーションの順であった。
懸念事項の上位3項目は、ウイルス、データ侵害、USBメモリなどからの機密情報・占有情報の漏えいであった。中小企業の52%がこれまでにセキュリティ侵害の被害を受けているといい、アジア太平洋地域におけるセキュリティ侵害のリスクは世界の他の地域に比べて高くなっている。
セキュリティ侵害が増加している要因には、システムダウン、ハードウェアの故障、人的エラー、不適切または古いセキュリティソリューションの使用といった一般的な原因のほか、基本レベルでのセキュリティの欠如があるという。また、予算不足や従業員のスキル不足が、中小企業の環境を保護するうえで大きな障壁となっているとのこと。
一方で、基本的なセキュリティ対策をしている中小企業は少ない。エンドポイント保護ソリューションを採用していない中小企業は56%、デスクトップのバックアップとリカバリのソリューションを採用していない中小企業は53%と、それぞれ半数以上になった。
ストレージに関する調査結果では、中小企業の70%がデータのバックアップとリカバリについて大きな不安を感じていることわかった。しかし、中小企業の53%はデスクトップのバックアップやリカバリソリューションを導入しておらず、1週間以内の頻度でバックアップを実行している中小企業は45%にとどまった。