Symbian Foundationは、モバイルOS「Symbian」を全面的にオープンソース化する計画における最初のステップとして、初のオープンソースソフトウェアパッケージをリリースした。
Symbian Foundationは、Eclipse Public License(EPL)のもとでライセンスされる、オープンソースプラットフォームとしてのSymbian OSの開発を推進するため、Nokia、Motorola、Sony Ericsson、NTTドコモ、Texas Instruments、Vodafone、サムスン、LG、AT&Tによって、2008年6月に設立された。以前は、Symbian OSは、Symbian Foundationによるプロプライエタリなソフトウェアとして、開発が進められていた。
Symbianの開発者であるCraig Heath氏によれば、Symbianは現地時間7月8日、EPLによって保護された初のパッケージ製品となる「OS Security Package」の形でリリースされた。
Heath氏はブログへの投稿で、「OS Security Packageのソースコードが、ついにEPLのもとで提供開始となり、クローズドなSymbian Foundation License(SFL)から(中略)EPLへと正式に移行した初のパッケージ製品となっている」と記した。
Heath氏は、OS Security PackageがEPLを採用しているため、Symbianのコードが法的に拠点としている、英国内の輸出に関する制限事項などもクリアできることになると語っている。
「オープンソースソフトウェアは輸出に関する制限を受けないという意味で、『パブリックドメインの』ソフトウェア向けの免除が適用される。それゆえに、暗号化された全機能を幅広く提供するのを確実にする上で、SFLからEPLへの移行は最もダイレクトな手法である」と、Heath氏は記している。
また、EPLへの移行は、オープンソースおよびセキュリティの両面で、いかにSymbianが「真剣に」取り組んでいるかを実証するものともなると、Heath氏は語った。次なるステップは、SymbianのチーフアーキテクトであるDaniel Rubio氏によれば、各コンポーネントおよびドライバが基本的なセットになる、Symbianカーネルのオープンソース化になるという。
Rubio氏は「Board Support Package、ハードウェア部分、そして、当然ながら、無料で入手できるツールチェーンなど、完全なI/Oにおいてシェルを稼動させられる、他のあらゆるコンポーネントやドライバがセットになっていなければならない。良いニュースとしては、このすべてを現実のものとするため、短期間のスパンで、つまり、自分の中では、3カ月というスパンを念頭に置いて、真剣に取り組んでいるという点が挙げられる」と、ブログの投稿に記している。
オープンソースへの移行に加え、Symbianは、「Symbian^2」の新名称でリリースされることになる新たなOSに、いくらか古いソフトウェアコンポーネントを統合する取り組みを進めている。新OSは、Symbian OSのバージョン9がベースとなり、「S60」「UIQ」「MOAP」の3種類のユーザーインターフェースの統合が図られる。今後数週間以内にベータテストが開始される予定であり、2010年前半にも搭載製品がリリースされてくる可能性がある。
Symbianは3月、半年ごとに新バージョンのOSをリリースしていく計画があり、2009年半ばには「Symbian^3」の発表を予定していることを明らかにしていた。Symbianは、AppleのiPhone OS、GoogleのAndroid、MicrosoftのWindows Mobileなどに代表される、さまざまなモバイルOSとの競合を強いられている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事をシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 原文へ