ラックは9月30日、サイバー事件発生時の緊急事態で、事業継続を念頭にした早期の復旧と信頼回復に必要な支援を行う専門チーム「サイバー救急センター」を10月1日付で新たに設置すると発表した。サイバー事件に遭ったユーザーに、初動対応から事業復旧までを同社の専門チームがワンストップの支援サービスを提供する。
サイバー救急センターは、不正侵入や情報漏洩などのサイバー事件の増加による危機感の高まりを受けて設置されたもの。同社は、情報漏洩緊急対応サービス「サイバー119」(旧・個人情報119)を2005年4月から提供し、企業の緊急事態に応じて専門チームを編成・派遣しながら、調査から事業回復などの支援サービスを提供してきた。
サイバー119のこれまでの出動件数の推移によると、サイバー事件は年々増加しており、2009年はすでに、2008年の年間の出動件数とほぼ同数となっている。また、最近のサイバー事件の傾向は、主に企業が運用するウェブサイトが狙われており、そこに保管されている個人情報やクレジットカード情報などを窃取しようとしているものが見られるという。被害に遭ってしまうと、企業の存続に関わるほどのダメージを受けてしまうケースも多い。
サイバー救急センターは、サイバー事件の特徴や傾向に熟知した同社のメンバーで構成され、司令室を窓口に調査・解析、応急対応の専門メンバーを揃えた。緊急対応窓口に特化した司令室は、情報漏洩などのサイバー事件だけでなく、ネット上の風評被害・誹謗中傷に対する悩みの相談まで、幅広い相談窓口としての役割を担うとしている。