Hewlett-Packard(HP)は米国時間11月11日、スイッチやルータなどを製品に持つネットワーク機器メーカーの3Comを買収する計画を発表した。
買収額は総額で27億ドル、1株あたりでは7.90ドルとなっている。HPではこの買収の狙いについて、ネットワーク事業を、特に3Comが事業の中心としている中国でさらに強化することだとしている。
HPのEnterprise Servers and Networking部門でエグゼクティブバイスプレジデントとゼネラルマネージャーを務めるDave Donatelli氏は声明で「HPの『ProCurve』シリーズと3Comの幅広くそろったソリューションを合わせることで、ネットワークの末端からデータセンターの中枢まで、あらゆる顧客ニーズに対応した次世代ネットワークインフラ構築の提供が可能になる」と述べている。
3Com以外にもHPはこの1年、ファイルシステム開発のIBRIXなど、エンタープライズ関連の買収を続けており、3Comの買収はその最新の例となる。HPの会長で最高経営責任者(CEO)のMark Hurd氏は10月に行われたGartnerのカンファレンスで、基盤となるサーバやストレージから上位層のサービスまで、さまざまなコンピューティング技術を統合した形で顧客に提供するトップ企業を目指すとの目標を語っていた。ただ、この時代に競争力を持つためには、企業はどの要素にも全力を尽くす必要がある。
Hurd氏も「どれ1つとして道楽ではやれない」としたうえで、「あらゆるライバルを相手に、イノベーションに支えられた低コストと総所有コスト(TCO)の組み合わせを提供しなければならない」と述べていた。
HPの3Com買収は2010年前半に完了するとみられている。HPの株価にはこのニュースの影響はほとんど見られず、11日の営業時間後取引で0.08%上昇して50ドルだった。3Comの株価は5.18%上昇して5.69ドルとなった。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ