カリフォルニア州マウンテンビュー発--Google、Microsoft、米Yahooは、インターネットソフトウェアおよびサービスに関しては激しい競争を繰り広げているかもしれないが、企業間の違いを一旦脇に置き、緊急時の人命救助といったより大きな視野の問題に対処するための開発者コミュニティーを構築しようとしている。
3社は先週末、NASA、World Bank、PR企業のSecondMuseと共同で、初めてのイベントRandom Hacks of KindnessをHacker Dojoという倉庫スペース兼コミュニティセンターで開催した。プログラマーらは2日間にわたって、災害発生時に人々が情報を取得し、互いに居場所を確認する方法など、現実的な問題の解決を支援する技術を利用する方法に取り組んだ。
このイベントは、Google、Microsoft、米Yahooの各関係者らが2009年5月、ワシントンD.C.で開催された緊急時および災害救助グループ向けのCrisis Campカンファレンスに参加したことを受けて、開催された。3社は、緊急時作業員らを支援するツールを作成するための開発者コミュニティーの構築に向けて協力することにした。
Google Crisis Responseのビジネス製品担当マネージャーを務めるJeffery Martin氏は、「コミュニティー構築のきっかけを作ることを目的にしている」と述べた。「民間企業と提携することを推奨し、それによってわれわれは技術を発展させ、革新を図ることができると伝えている」(Martin氏)
開発者らは、危機発生時に災害および緊急時作業員を支援することのできる10個程度のツールに取り組んだ。いくつかのツールは、情報共有にTwitterなどのソーシャルメディアサイトやショートメッセージサービス(SMS)などを利用する。通常のネットワークが使用できなくなった場合に、ノートPC、ルータ、携帯機器、USBキーおよびWi-Fiを使用してメッシュネットワークを構成することを目的とするプロジェクトもあった。
いくつかのプロジェクトは、地図を使用するものであった。あるグループは、ユーザーが地図上の1つの地点をクリックすると、自動的に座標がメッセージに挿入され、「HelloTXT」サービスによってそのメッセージを同時に複数のソーシャルネットワークに投稿することができるというウィジェットを構築した。
優勝したのは、主にNASAからのメンバーで構成されるグループで、通常の携帯電話ネットワークの接続が悪化し、携帯電話で通話ができなくなった場合に使用することのできる、モバイル通知アプリを作成した。この「I'm OK」アプリを使用することにより、1つのボタンをクリックするだけでSMS経由で簡単に、友人や家族に無事を知らせることができる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ