日立システムアンドサービス(日立システム)とデロイト トーマツ リスクサービス(DTRS)は11月17日、ユーザーIDの一元管理と権限によるアプリケーションやデータへのアクセスコントロールを行うIAM(Identity and Access Management)分野で連携すると発表した。
連携の背景としては、雇用形態の多様化に伴う企業システムのアクセス管理の複雑化や、企業経営に求められるコンプライアンス要件の増大によって、IAMシステムの重要性およびニーズが高まっている点が挙げられている。
IAMシステムを構築する際には、コンサルタントが調査した結果を元にシステムインテグレーターが要件定義や基本設計を行う。その際、従来の進め方では、現行システムの状況確認や調査、確認結果の各社独自のメソッドへの落とし込みといった工程でコンサルタントとシステムインテグレーターの作業に重複する部分があったという。また、ユーザーは内容確認のため、システムインテグレータとコンサルタントとの橋渡しを行う必要があり、その作業にも手間がかかっていたとする。
今回の日立システムとDTRSとの連携により、IAMシステム構築の方法論を両社で共有する。これにより、DTRSが上流コンサルで決定した方法論を、日立システムが引き継ぎ、要件定義、基本設計からシステム構築までを担当することで、短期間低コストでのシステム化を実現できるとしている。
両社連携による、IAM関連サービスの提供開始は12月1日。両社では、IAMに関連するシステムの導入を予定している、製造業、官公庁、金融業などを中心に、今後3年間で15社への販売を目標としている。