#4:PowerShell 2.0
Windows Server 2008 R2にはPowerShell 2.0が同梱されている。これはPowerShellの新しいバージョンであり、200個以上もの組み込みの標準コマンドレットが新たに提供されている。なお、PowerShell 2.0はダウンロードすればWindows Server 2008でも利用可能である。
PowerShell 2.0はコマンドライン環境であるが、面白いことにMicrosoftは新たなコマンドレットを開発する環境としてGUIインターフェースも提供している。このインターフェースでは、構文の強調表示機能に加えて、デバッグやテストに利用可能なさまざまなツールも提供されている。
#5:DirectAccess
リモートユーザーのサポートを行ったことのある人であれば、それがどれだけ大変なことかが分かっているだろう。しかし、今日ではほとんどの人がリモートアクセスを望んでいる。Microsoftはリモートアクセスというものの考え方を見直したため、幸いなことにこういった作業がシンプルに行えるようになっている。Windows Server 2008 R2では、ローカル接続とリモート接続を区別する必要がない。すべての接続は実質的に同じものとして扱われるようになっており、そのための処理はWindowsによってバックグラウンドで行われる。そして、こういったことを可能にしているのがDirectAccessと呼ばれる機能なのである。
#6:Virtual Desktop Integration
Windows Serverは何年も前からターミナルサービス機能を提供しているが、Windows Server 2008 R2では高度なVirtual Desktop Integration(VDI)テクノロジを採用している。VDIの採用によって生み出されるメリットは主に2つある。まず1つ目のメリットとして、ホストされているアプリケーションが、ローカルにインストールされているアプリケーションと同様に「スタート」メニュー上に表示されるようになるという点を挙げることができる。ユーザーの目から見れば、ローカルアプリケーションとホストされているアプリケーションの区別はないも同然だろう。2つ目のメリットは、グラフィック処理が(そしてキーボード操作やマウス操作といったその他のI/O処理も)ユーザーのデスクトップ側で行われるようになっていることである。これはつまり、各セッションで消費されるサーバリソースを削減できるということであり、そういったリソースをより効率的に使用できるようになるということも意味している。
#7:BranchCache
Windows Server 2008 R2の最も優れた新機能の1つにBranchCacheがある。この機能が導入された背景として、支社で働くユーザーは何度もリモートファイルサーバ上のファイルにアクセスしなければならないという状況を挙げることができる。こういったファイルは、アクセスのたびにWANを介してやり取りされることになる。また、多くの企業は使用したWANの帯域幅に応じて料金を支払っているため、リモートファイルへのアクセスに対する費用負担が大きくなる場合もある。
BranchCache機能により、ローカルサーバ上にファイルがキャッシュされるようになる。このため、ファイルの内容がキャッシュされた時点から変更されていない限り、リモート接続でファイルにアクセスする必要がなくなることになる。これにより、多くのファイルの読み込み処理がローカル側で完結できるようになるため、通信にかかるコストを削減できるとともに、支社のユーザーにより優れたパフォーマンスを提供できるようにもなる。また、リモート側のファイルを読み込む必要がある場合でも、WANの輻輳が低減されるため、通信効率を上げることが可能になる。