2009年はどんな1年だったのか。4月にはOracleがSun Microsystemsを買収するという大事件も起こったが、業界編成という言葉もそろそろ聞き飽きた。買収話で2009年の動向を振り返るなんてことは、ほかの担当者がすでに執筆しているに違いない(たぶん)。私は「企業」などという大きすぎて見えにくいものよりも、もっと身近で、文字通り顔の見える「中の人」たちが気になるのだ。
そこで「2009年を振り返る:藤本京子編」では、この1年で私が気になったイケメンやオヤジたちの動向を振り返りたい。ちなみに誰がイケメンカテゴリーで誰がオヤジカテゴリーに入るかは、読者の判断に任せることにする。
人事ニュースの巻
2009年を直前にした2008年12月下旬、2つの企業から人事関連のニュースが飛び込んできた。日本オラクルの新宅正明氏の退任と、日本IBMの新社長に橋本孝之氏が就任するというニュースだ。
日本オラクルではすでに2008年6月に新社長として遠藤隆雄氏を迎え入れており、新宅氏は退任の時期をうかがっていたようにも思える。日本IBM前社長の大歳卓麻氏は、2008年2月の会見でも「次期社長候補は常に見直している」と話しており、熟考した上での社長交代だったのだろう。とはいえ、新宅氏も大歳氏も日本のIT業界の顔として長年存在感を示してきた人物で、両氏が表舞台から見えなくなることに時代の移り変わりを感じた人も多いはずだ。
9月は、海外からの人事ニュースに驚かされた。Intelのシニアバイスプレジデントを務めていたPat Gelsinger氏がEMCに移籍するというニュースだ。
Intelでの30年間にさまざまな実績を築いてきた同氏は、「次期CEOか」との声もあった人物。そのGelsinger氏がIntelを去ってしまうとは……。個人的には、2008年6月にBill Gates氏がMicrosoftの常任会長職を退任した時に次ぐ衝撃で、「IntelのCEO職に就くPat Gelsinger氏」を妄想していた私は何だかさみしい気分になった。
ちなみに私が彼を最後に見たのは、4月に東京都内で行われたサーバ用プロセッサXeon 5500番台の発表会だ。EMCに移籍してからは来日のうわさも聞かないが、ぜひまた来日してあのセクシーボイスを聞かせてほしいものだ。