本記事では、成功を勝ち取ったリーダーたちの実践してきたリーダーシップについてのアプローチを、企業経営者に対するコーチであり、リーダーシップに関するコーチでもある筆者が5つ紹介する。
2010年は厳しい年となるだろう。今後の見通しについてはさまざまな人が予測を行っている。
今後の計画を立てるうえでどういった指標(経済成長率や利益水準、失業率、物価、ドルの貨幣価値など)を用いるかによって、あなたの2010年予想は、他の誰とも違ったものになるかもしれない。われわれは不確実な時代に生きている。そしてあなたは今後も、リーダーシップやマネジメントのスキルを要求される事態に直面することになるだろう。こういった要求に応えられず、失敗するリーダーもいる。一方、頭角を現し、年の終わりにこの1年を振り返った際に、2010年は自らのキャリアを大きく前進させた年だったと感じるリーダーもいるだろう。
これら2種類のリーダーのうち、後者になるためのティップスを5つ紹介する。
#1:重要なのは、ものではなく人であるという事実を肝に銘じておく
あなたがリーダーとして下す最も重要な決断は、常に人に関するものとなるはずである。最も重要な決断はシステムやものごと、金銭に関するものだと思う人もいるかもしれないが、それは間違いだ。筆者がクライアントと話をし、今までに下した最善の決断と最悪の決断について尋ねると必ず、それは人に関するものだという答えが返ってくる。優秀な人材を揃えておくということは、いつの世にも重要である。しかし先行きの不透明な時代において、これは成否を分けるほどの重要性を持っているのである。
#2:指示するのではなく、尋ねる
部下が上司を評価する際、「自由形式で答えられる質問を行うかどうか」を最重要視しているケースが多い。このため、主に「指示」モードでものごとを進めようとするリーダーは、新たなアイデアの活用機会をみすみす逃していることになる。2010年はこれまでにも増して新たなアイデアが必要となるはずだ。
#3:進んでものごとに取り組む
皆のアイデアや提案、懸念に耳を傾けた後、あなたはリーダーとして行動を起こす必要がある。あなたの給与には、リーダーとしての決断を下すという責務への対価も含まれているのである。また、そういった決断を首尾良く現実のものとしなければならない。チームや上司に対して、あなたは課題を遂行するだけの力量を持っているという事実を示すのだ。それによって、ものごとに取り組む機会が増えるはずでなる。そして、バッターボックスに立つ回数が増えるほど、ホームランを打つ機会も増えるというわけである。野球界の伝説的人物ベーブ・ルースはこのことを早くから学んでいた。