NEC、地方公共団体の基幹業務システムをSaaSで提供するサービスの販売を開始

富永恭子(ロビンソン)

2010-01-22 18:27

 NECは1月22日、地方公共団体における「住民情報」「総合窓口」「財務会計」「人事給与」「文書管理」の計5種の基幹業務システムを、データセンターからネットワークを介して提供するサービス「GPRIME for SaaS」を商品化し、販売を開始したことを発表した。

 GPRIME for SaaSは、2009年4月に山形県置賜地域において提供を開始したサービスでのノウハウを基に標準化したもの。地方公共団体のニーズに応じて、「各団体が標準システムを利用する形式」と「特定地域の複数団体が共同で標準システムを利用する形式」の2パターンを用意している点が特徴という。

 提供する5つの業務システムが、基幹業務をほぼすべてカバーしているだけでなく、さらに、基幹業務に付随するデータ入力、帳票出力、封入/封緘、配送作業などのアウトソーシングサービスもオプションとして提供し、基幹業務支援にかかわるトータルなサービスを実現するとしている。

 NECが、これまで地方公共団体での導入を進めてきたASPやSaaS型のサービスは、電子申請や施設予約など、フロントオフィス系業務が中心だったという。しかし昨今では、各団体が進める業務の効率化や環境変化への迅速な対応として、基幹業務システムのサービス利用が注目されつつある。NECはこうした動向を受け、「GPRIMEシリーズ」のサービス化を行うことを目的に、GPRIME for SaaSの発売に至ったとしている。

 GPRIME for SaaSが提供する標準業務プロセスにあわせた業務改革(BPR)を実施することにより、地方公共団体は、基幹システムにかかるTCOを、従来比で約30%低減できるという(同社試算)。同時に、法改正時には、同サービスの範囲でシステムを対応させるため、地方公共団体には都度コストが発生しない。そのため、迅速な法改正対応が可能なだけでなく、法改正等に伴うシステム変更などの負担を大幅に軽減することが可能だとしている。また、システム導入期間も従来比で約50%短縮できる見込みだ。これらのコスト低減や効率化によって、職員のリソースを住民サービスの強化にシフトすることができるため、さらなる住民満足度の向上が期待されるとしている。

 NECでは、同サービスの拡販およびサポートの充実に向け、50名の専門体制を2月に確立する予定。今後、全国展開を目指し、人口10万人未満の地方公共団体を中心に、3年間で200団体への導入を目指すという。

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