早くも「Windows 7」が失速……?
Windows 7の発売以降、好調に推移してきた国内のコンシューマー向けPC市場が、早くも前年割れに転じはじめた。
全国量販店のPOSデータを集計しているBCNの調べによると、Windows 7が発売となった2009年10月22日を含む、2009年10月19日〜25日の集計では前年同週比26.4%増となっていた量販店店頭におけるPCの販売台数は、11月30日〜12月6日の集計まで前年実績を上回っていたものの、12月7日〜13日の集計では前年同週比4.4%減と、Windows 7発売以来初めてのマイナス成長となり、さらに、12月28日〜1月3日の集計でも5.1%減と、再度、前年実績を下回る結果となったのだ。
減少幅が大きいのがノートPCのカテゴリだが、中でも、ネットブックのマイナス幅が大きい。
10月19日以降に集計した11週間の動きのうち、ノートPCは4週間が前年同週割れ、ネットブックでは、11月に入って以降、なんと9週間連続でマイナスとなっているのだ。最も落ち込みが激しかった12月14日〜20日までの集計では、39.1%減と前年の3分の2以下にまで販売台数が落ち込んでいるのだ。
BCNでも、「年末年始商戦は、台数、金額ともに前年並みに終わった」と総括しており、このデータを見る限り、Windows 7による需要喚起は、限定的だったという見方をすることができよう。
実際、販売店の間からは、厳しい声が聞かれ始めている。
PC本体の売り場への集客が一巡し、販売が上向いている実感がないという声が出ているからだ。成長力を持続している薄型テレビと比べて勢いに大きな差があることも、その感覚をより強める一因になっているだろう。
だが、明るい材料をあげるとすれば、2009年10月以降、PCの平均単価が上昇しており、2009年9月の8万円から、2009年11月には9万円、12月には9万1100円となっていることがある。機能の高い製品に注目が集まっていることの証だ。
また、2009年9月まで前年割れしていたデスクトップPCの販売台数が、10月以降にはプラスに転じ、11月には8.7%、12月には10.9%と2桁増になっている。Windows 7の特徴的な機能のひとつであるタッチパネル機能を搭載した製品に注目が集まっており、これがデスクトップPCの販売台数を押し上げている。
Windows 7搭載PCとしては、第2弾となる新製品群が、先週から続々と発売されている。ユニークな製品も登場し、新たな需要喚起も期待されるところだ。失速感が感じられた年末商戦の巻き返しを、これからの新製品に期待したいところだ。