ガートナー、2010年以降に企業に大きな変化を与える9つのポイントを予想

富永恭子(ロビンソン)

2010-01-27 22:05

 Gartnerはこのほど、2010年以降に企業のIT部門やユーザー部門に長期的に大きな変化を与える重要な展望をまとめた『Gartner Predicts 2010』を発表した。

 このレポートは、同社が調査対象としている各分野から56の市場、トピック、業種を網羅し、最も重要で注意すべき予見として選ばれたものであり、今回挙げられたトレンドとトピックは、ITにおけるパワーバランスやITの焦点に変化を与えるものだという。

 同社アナリストによれば、IT資産の所有権と収益の流れのシフトという2009年以来のテーマには変わりがなく、より明確になるとともに焦点がより絞られているという。消費者需要、供給、規制の間の新しいバランスにあわせてマクロ経済環境の調整が進む中、2010年は前年の予見がさらに広げられ、ユーザーとITのかかわり方の変化まで網羅しているとしている。

 同社のバイスプレジデント兼リサーチフェローのBrian Gammage氏は「あらゆるIT投資の判断に対して財務と規制の両面からの監視が強まっている今、これらの影響を受けずに済む組織はほとんどないだろう」としている。同社は、2010年以降に企業がこれらの変化からダメージを受けることなく、逆にこれらを有利に生かすための行動を促し、準備態勢を整えるための重要な展望として、9つのポイントを挙げている。

2012年までにIT資産を自社で保有しない企業は20%

 仮想化やクラウド対応にともない、互いに関連する複数のトレンドによって、企業のハードウェア資産の減少に向けた動きが促進されるだろうという。一方で、予算の削減やより戦略的な予算の再割り当て、人的資産の再編成や再教育、新たな発注者の要件を満たすための大幅な変化など、ハードウェア業界のあらゆる局面で大きな変化があるだろうとしている。

2012年までに市場をリードする“クラウドアグリゲーター”の中で、インドを中心とするITサービス企業は20%

 インドを中心とするITサービス企業は、市場で確立されたポジションと高レベルの信頼性を基盤に、加速度的な収益成長モデルの実現を模索しているとともに、興味深い研究開発 (R&D) 活動を展開しているという。そして、これらのベンダーが提供するのは、クラウドサービスになるだろうとしている。

2012年までにFacebookがソーシャルネットワークの統合とウェブのソーシャル化のハブとしての役割を担う

 Twitterを含むほかのソーシャルネットワークも一層の普及と特化を進め発展していくだろうが、Facebookはユニバーサルログインサービス「Facebook Connect」などを通じ、分散された相互運用的なソーシャルウェブの発展を支援するとともに、ソーシャルネットワーク全体の共通基盤的な存在になるだろうという。また、Facebook以外のソーシャルネットワークやコミュニケーションチャネル、メディアサイトにとって、相互運用性は成功に不可欠な要素になるだろうとしている。

2014年までにほとんどのITビジネスケースに、二酸化炭素(CO2)対策コストが含まれるようになる

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