日立システムアンドサービス(日立システム)は2月18日、Amazon Web Services(AWS)が提供するクラウドストレージサービス「Simple Storage Service(S3)」を、同社が1月12日から渋谷駅周辺で実施しているエリアワンセグ実証実験の映像コンテンツを管理するストレージサービスとして採用したと発表した。
従来、同様のシステムでは、映像コンテンツを格納するストレージを専用ディスク装置として購入またはレンタルし、ユーザー設備やデータセンター等に設置する必要があったが、今回、パブリッククラウドサービスであるS3を使って、必要なストレージをネットワークを介して準備することが可能となったとしている。
S3の採用により、「従量課金型のモデルにより初期コストや運用コストを低減」「リソースが数分から数十分で利用可能となるため、システム構築、導入のスピードが向上」「システム管理の運用性、操作性の向上」「複数のストレージを設定することによる、性能と信頼性の確保」といったメリットがあるとしている。
日立システムでは、今後もAWSの各種サービス、既存のインテグレーション、国内外の周辺技術の組み合わせで全体最適を実現するクラウドソリューションを順次提供および拡大してゆく予定としている。また、同プロジェクトを契機に米Amazon.comとソリューションプロバイダープログラムを締結し、渋谷のエリアワンセグの案件をケーススタディとして掲載する予定という。
AWSに関するソリューションプロバイダープログラムの締結に関して、AWSのゼネラルマネージャーであるSteve Rabuchin氏は「Amazon Web Servicesは、世界中の組織が、クラウド上での情報処理やデータ保存、その他アプリケーションサービスの利用を可能とする、拡張性に富んだコンピュータインフラを提供しています。このたび日立システム様がエリアワンセグプロジェクト支えるインフラとして、アマゾンのサービスを活用していただいている事を大変うれしく思います」とコメントしている。