日本ユニシスグループの日本ユニシス・エクセリューションズ(UEL)は2月23日、同社の3次元統合CAD/CAMシステム「CADmeister」にエリジオンの3次元データ変換および活用ツール「CADdoctor」の計算エンジンを搭載し、3月から「CADmeister V5.1」として販売すると発表した。これにより、CADdoctorとのシームレスな利用が可能となり、モデル検証や編集機能が組み込まれるとともに、3次元類似部品データの流用設計機能が強化されるという。
CADmeister V5.1では、CADdoctorのデータ検証や編集機能を個別のライセンスとして搭載できるため、ユーザーが自社の業務プロセスに合った機能だけを選択、購入でき、高品質な機能を低価格で利用できる。また、境界線が離れた面群をトリム、延長など変形して結合し、取り込み後の単面化など手作業による修正個所を同社比較で従来の30分の1まで軽減。同様に、リブやボスなどの多様なフィレットを除去し、ピン角戻し作業など非パラモデルのピン角化における手作業による修正個所も従来の3分の1まで軽減できるとしている。
今回提供する新機能は、金型設計で特にニーズが高かった機能だ。提供価格は、モデルの形状を比較し、変更形状の表示と複写などデータ流用工程を支援する「モデル比較」が50万円。境界線が近い面群を自動的にトリムや延長して変形し結合する「ヒーリング」が100万円。リブやボスなどのフィレットを除去し、フィレット掛け前の状態に復元する「フィレットはずし」が70万円となる。
UELとエリジオンは、2003年から3次元統合CAD/CAMシステム「CADCEUS」のデータ交換エンジンのアライアンスパートナーとして共同開発を続けていた。近年、ものづくり企業では国際競争力を高めるため高品質化と低価格化が同時に求められる一方で、景気低迷から企業の意に反し設備投資を絞らざるをえない状況が続いていると同時に、海外からのCADベンダーの進出が激しさを増している状況だ。これら厳しい経済環境の中で、両社が今回も国産CADベンダーとして協力し合うこととなった。
UELは今後、CADmeisterのユーザーを対象にCADmeister V5.1を販売し、今後5年間で各300本、6億6千万円の売り上げを目指すとしている。