MemsOneコンソーシアムは1月20日、MESM用設計解析ソフトウェア「MemsONE」Ver.3.0の販売を開始したと発表した。
MemsONEは、経済産業省/NEDO技術開発機構の「MEMS用設計・解析支援システム開発プロジェクト」において開発されたMEMS設計特化型の、国内初の統合型シミュレーションシステム。同コンソーシアムは、MemsONEの本格的な普及を目的にマイクロマシンセンター、みずほ情報総研、日本ユニシス・エクセリューションズ、数理システムにより構成され、2008年2月14日に結成された。
MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)は、電気回路(制御部)と微細な機械構造(駆動部)を融合し、半導体製造技術やレーザー加工技術など各種の微細加工技術を用いて、ひとつの基板上に集積させた微小電気機械システムの呼称。主にインクジェットプリンタのヘッド部にある微小ノズルや圧力センサ、加速度センサ、流量センサなどに活用されているという。
また今後は、情報通信、医療、バイオ、自動車、ロボット、航空、宇宙、福祉など多様な分野における小型、高精度で省エネルギー性に優れた高性能のキーデバイスとして期待されており、国内製造業における基幹部品の国際競争力強化などの観点から重要な分野だとされている。
MemsONEは、このMEMSの設計開発に必要となる3次元モデラー、薄膜に適したメッシャー、マスクCAD、構造、機構、電磁場、熱伝導、ナノインプリントなどの基本的な数値解析機能を備えた「機構解析シミュレータ」、MEMS加工プロセスを総合的に検証、評価する「プロセス解析シミュレータ」などを備えている点が特長だという。
今回発売するMemsONE Ver.3.0では、モデリング機能やメッシュ分割機能の強化、電界解析における境界要素法解法の追加、回路シミュレーション機能の強化により解析精度が向上し、複合化するMEMSデバイスの設計開発を効率よく行うことが可能だとしている。
2009年2月に販売を開始したMemsONE Ver.2.0は、これまでに約60機関で採用され、出荷ライセンス数は約200。今回のMemsONE Ver.3.0の出荷により、今後1年間で120機関、400ライセンスの普及を目指すという。