トレンドマイクロは3月2日、「明日のIT環境に対応した新しいセキュリティ対策」と題したセミナーを開催した。
トレンドマイクロ取締役 日本地域担当の大三川彰彦氏は、「IT環境、セキュリティ脅威の変化とトレンドマイクロのセキュリティ対策」と題して講演。自社の歴史を振り返るかたちで、ネット上の脅威の変遷とその対策を語った。
トレンドマイクロは1988年8月に米国ロサンゼルスで創業して以来、黎明期のコンピュータウイルスや、脆弱性を悪用するウイルス、Gumblarといった折々の脅威に対して、その当時のIT環境に見合ったセキュリティを提供してきたという。「コンピュータ環境の変化によってウイルスも変化する。トレンドマイクロでは、いち早く環境や脅威に対応したソリューションを提供している」と、大三川氏は述べている。
脅威の変遷と買収戦略
脅威の変遷に対応するように、トレンドマイクロは技術獲得を目的とした買収戦略を展開してきた。
- 2005年5月 米国InterMute買収(スパイウェア対策技術)
- 2005年6月 米国Kelkea買収(メールレピュテーション技術(安全性評価))
- 2007年10月 米国Provilla買収(情報漏洩対策技術)
- 2008年2月 英国Indentum買収(メール暗号化技術)
- 2009年4月 カナダThird Brigade買収(不正侵入対策技術)
これらの買収について大三川氏は、「マーケットを買っているのではなく、ユーザーのデータを守るといった観点から、技術をにらんだ買収」としている。
トレンドマイクロは、2009年の注力ポイントとして、「Protection “From” The Cloud」を掲げてきた。電子メールとウェブ、ファイルの3つのレピュテーションによりリアルタイムで変化を追従し、脅威に関する最新の対策と情報をクラウドで管理。これにより常に最新のセキュリティ対策を提供できたとしている。
今後の注力ポイントには、「Protection “FOR” The Cloud/Data Center」を掲げている。仮想環境向けソリューションや、パブリッククラウド上のデータ保護ソリューション、ネット端末の監視など、さまざまなITレイヤーに均一のセキュリティレベルを提供するとしている。
一方、企業内のITシステムやデータセンターなど物理環境と仮想環境が混在するなかでは、データの管理や追跡、セキュリティレベルの統一といった課題が指摘されているという。
大三川氏に続いて講演したトレンドマイクロ マーケティング本部 本部長の九里禎久氏は、物理および仮想環境が混在するなかで統一したセキュリティを提供する同社の製品「Trend Micro Deep Security 7.0」を紹介している。