スーパーコンピュータメーカー、Crayのカスタムエンジニアリング部門が、クラウドコンピューティング用データセンターの運営コスト削減を目指し、Microsoft Researchと提携した。
Crayは米国時間3月2日の発表で、この提携では高密度パッケージングなど、スーパーコンピュータを専門とする同社が持つシステム設計分野の知的財産を活用していくと述べている。両社はまた、施設、電力、およびハードウェアのコスト削減を目的として、給電および冷却過程の効率化に関するイノベーションにも取り組むという。
Crayでカスタムエンジニアリング部門を担当するバイスプレジデントのChuck Morreale氏は、声明のなかで「このプロジェクトの成果により、クラウドコンピューティング向けデータセンターの運営において、大幅なコスト削減が実現する可能性がある」と述べている。
2008年に創設されたCrayのカスタムエンジニアリング部門にとって、今回の提携は商用市場進出の第一歩と言える。同部門は、液体冷却システム「ECOphlex」といったCrayの技術を活用し、カスタム仕様のデータ管理およびコンサルティングシステムを提供しながら、個々の顧客向けに特定用途のスーパーコンピュータを構築している。2009年夏のCrayの発表によると、カスタムエンジニアリング部門は同社でも最も急速に成長しているという。
データセンターの電力使用量は増加の一途をたどっており、CrayとMicrosoftは今回の提携により、懸念が高まっているこの問題に対処する構えだ。Gartnerの調べによると、情報通信技術による全世界の二酸化炭素排出量の4分の1近くをデータセンターが占めているという。
Hewlett-Packard(HP)も、シンガポールに新しい研究所を開設し、データセンターをクラウドコンピューティングに最適化する研究に向け、歩みをさらに1歩進めたことを、2月24日に発表している。このHP Labs Singaporeは、大企業レベルのクラウドプラットフォームの開発に注力する。
加えて、環境に優しい電力供給源「Bloom Box」など、データセンターのエネルギーコストを下げ、環境に与える影響を緩和することを狙った技術を、多くの企業が導入している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ