富士ソフトとヤフー(Yahoo! JAPAN)は3月8日、富士ソフトのECソリューションと流通クラウドサービスにYahoo! JAPANの「認証API」と決済サービス「Yahoo!ウォレット」を組み込むことで連携し、4月からネット通販企業向け総合支援サービスとしてSaaS型で提供することを発表した。
富士ソフトが持つECソリューションと流通クラウドサービスをSaaSで提供し、業務改善やコスト削減を図り、利益向上の実現することを目指して、ネット通販企業向けトータル支援サービスを提供する。
今回のネット通販企業向けトータル支援サービスは、複数ECサイトごとに管理していた在庫を富士ソフトの在庫一元化ソリューションで一元管理して業務改善を図れるという。またビジネスインテリジェンス(BI)ソリューションで売り上げや原価、在庫、人件費、物流費、営業利益などの経営管理支援レポート、物流管理サービスによる入荷から出荷、返品、棚卸しまで一連の物流業務の管理、流通BMSサービスとの連動による受注、出荷、納品、請求、支払いなどの一連の流通業務管理を提供するのが特長だとしている。
また「Yahoo! JAPAN ID」とYahoo!ウォレットを組み込むことで、集客数と購買コンバージョン率の向上を図ることができるという。Yahoo! JAPAN IDは3月現在で約2400万人のアクティブIDを持つ。ここから自社ECサイトへのログインが可能となり、会員登録時のドロップ率が低下するという。会員IDとクレジット番号などの決済情報をひも付けたオンライン決済サービスであるYahoo!ウォレットで決済時のドロップ率も減少するとしている。富士ソフトは今後、年間100社の受注を目指すという。
百貨店やコンビニエンスストアなどでの店舗販売が低迷する一方で、生活者の巣ごもり消費や節約志向が高まるなど、消費者ニーズが変化しているという。この変化を受け、ネット通販が大きく成長しているが、同時に集客数増加、決済手法の多様化による売り上げ向上と在庫一元化による業務効率向上、物流コスト削減による利益向上などが課題となっているとしている。