日本ユニシスは3月23日、大阪府において30の企業や団体と連携し、充電インフラとなる「おおさか充電インフラネットワーク」の実証実験を3月26日から開始することを発表した。
日本ユニシスは、電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHV)向け充電インフラシステムサービス「smart oasis」を開発し、これまでもEVおよびPHVの導入や普及に積極的な地域での社会実証実験に提供してきた。smart oasisは、EVやPHVの充電インフラを利用するための利用者認証機能や課金機能、充電装置の位置情報および空き情報を提供するサービスで、「給電スタンド」「通信ネットワーク」「サービス管理システム」から構成されている。
今回の実験では、smart oasisによって、大阪府内に設置された複数の異なるメーカーの充電器を一元管理し、充電サービスの管理や情報提供のプラットフォーム共通化の実証、携帯電話を用いた充電器予約システムの実証を行う。日本ユニシスによると、このような充電インフラの実証は国内外でも例がなく、世界初の試みになるという。
日本ユニシスが構築するおおさか充電インフラネットワークは、大阪府内に点在する充電器をITでネットワーク化し、充電電力量や使用時間などの利用情報、充電器の状態情報などを日本ユニシスのデータセンターに設置した管理システム(smart oasis)上で一元的に管理する。今回のおおさか充電インフラネットワークを形成する充電器は、6社の異なるメーカーにより製造された8種の充電器。これらを共通のプラットフォームとなるsmart oasisによって管理し、EV利用者にサービスを提供する。
また、EV利用者の利便性を高めるサービス機能として、充電器の位置情報やリアルタイムの空き情報が確認できるほか、NTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクモバイルの携帯電話を用いた充電器の利用予約や予約状況の照会サービスを試行するという。充電器予約サービスを検証することで、今後EVが大量に普及した際の効率的な充電サービス運用の確立に向けた機能の検証と課題の洗い出しを行うとしている。
さらに、おおさか充電インフラネットワークで利用者認証用カードとして使用する非接触ICカード(FeliCaカード)は、利用者の利便性を高めるために、すでに普及している公共交通サービス事業者などのカードを用いるという。今回は、オリックス自動車のカーシェアリングカードや、スルッとKANSAIの鉄道およびバスカード「PiTaPa」などで充電器が利用できるプラットフォームを実現し、非接触ICカードによるEVと地域交通の連携を目指すとしている。
今回の実証実験は、2009年6月に大阪府が発表した「大阪EVアクションプログラム」の一環となる。大阪EVアクションプログラムは、EVのためのインフラおよび社会システムの整備や先進的モデル事業を行うことで、EVと太陽光発電の普及を促進し、低炭素社会の構築を図るとともに、将来的にEVや新エネルギー関連産業の集積を促すことを目的として発表したプログラムだ。