伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)は3月26日、教育機関向けに特化したサービスとしてCTCアカデミッククラウドサービス「A-Cloud」を開始すると発表した。A-Cloudの第1弾として、学校法人の学生と教職員向けのメールサービス「A-Cloud Mail」を開始する。
A-Cloudとは、教育機関向けに特化したクラウドサービス群の総称で、企業とは異なる利用形態にあわせ、安全性と安定性を備え、低価格で提供する教育機関向けの共同利用サービスのこと。その第1弾として提供するA-Cloud Mailは、6月よりデモサイトを公開、各教育機関へのサービスを10月から開始する予定で、2012年度に20万ユーザーの獲得を目標にしているという。
メールの他に、コスト削減を目的としたサービス群、企業の経営ノウハウを活用して大学改革や改善を推進するサービス群など、ソリューションの共同利用によるサービスの提供を検討するとしている。
CTCによると、全国の国公私立大学では、新型ウィルスや災害などの危機管理対応をはじめ、新卒者の就職難、国公立大学の法人化など多くの社会的課題に直面しており、IT環境の充実と経営の効率化についてさまざまな検討が行われているという。とくに大学で利用されているメールやIT資産の運用管理においては負担も大きく、一方で24時間365日の利用が当たり前になったメールサービスを学内で運用することは、教職員にとっても大きな負担だとしている。
A-Cloud Mailはウェブメールに対応し、「メーリングリスト」、「ウィルスチェック」、「スパムチェック」、「モバイル対応」、「コラボレーション(スケジュール)」などの機能が備わっている。同サービスでは、学内にメールサーバを設置する必要がないため、システムの初期投資にかかる費用や運用管理のコストを軽減するという。
A-Cloud Mailの提供価格は、利用規模に応じたアカウント単位の定額制となる。同サービスは、CTCのデータセンターにて運営する。