AppleはAdobe Systemsの「Flash Player」プラグインに反対する原理主義的な立場をとっているのかもしれないが、Googleは同社のブラウザ「Chrome」に同プラグインを組み込むという現実主義を選択した。
Googleは米国時間3月30日、ブログ「The Chromium Blog」でFlashの採用を発表したが、同社はブラウザプラグインのセキュリティを改良する関連プロジェクトを数カ月にわたって訴えてきた。Googleはウェブがアプリケーションの基盤になることを求めているが、プラグインがもたらす可能性のあるセキュリティ問題やクラッシュは望んでいない。
具体的に、GoogleはChromeとともにFlashを配布し、同プラグインを自動的に更新し、いずれはFlashをChromeのサンドボックスに入れてリスク軽減が図られるようになるだろうと述べた。
この移行は全く意外というわけではない。まず、3月29日にはすでに米ZDNetのLarry Dignan氏が報じていた。ただし、Googleは2009年7月の段階ですでに、2010年中にリリースを予定しているブラウザベースのOS「Chrome OS」のパートナーにAdobeが名を連ねることを明らかにしていた。このことは事実上、FlashにChrome OSの中での居場所を約束するものだった。
この動きが示しているのは、HTMLおよび関連ウェブ標準に導入される各種新機能とFlashとの区別が、一部で考えられているほど明確ではないということだ。HTML、CSS、およびJavaScriptがFlashにとって競争上の脅威になるのは確かだが、ウェブ上に大量のFlashコンテンツが存在するのもまた事実だ。そして、Adobeもまた次世代のウェブ標準を採用することは留意しておくべきだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ