Bill Gates氏とPaul Allen氏がMicrosoftを創設するきっかけとなったコンピュータ「Altair 8800」を開発したEd Roberts氏が、米国時間4月1日に亡くなった。68歳だった。
コンピューティング業界における他のパイオニアと比べると、Roberts氏の名前はそれほど知られていないが、Altairは世界初のパーソナルコンピュータとして、現在のコンピュータ業界に大きな影響を与えたことで広く認知されている。Roberts氏は、Micro Instrumentation and Telemetry Systems(MITS)を創設し、同社が1975年、Altairを発表した。「Popular Electronics」の1975年1月号に掲載されたAltairに関する記事を見た若かりし日のAllen氏は興味を抱き、それをGates氏に見せたという。
Gates氏とAllen氏は、Altair向けのソフトウェアを開発したいと考え、すぐにRoberts氏に連絡を取った。両氏はRoberts氏に会う約束を取り付け、同氏の会社があったニューメキシコ州のアルバカーキへと向かった。両氏はその後、Microsoftを創設した。Microsoftの最初のオフィスは、アルバカーキにあった。
Roberts氏が業界に与えた衝撃は消えることはなかったが、同氏は1970年代に、MITSを売却してコンピューティング業界を離れ、医学校に入学し、後にジョージア州に病院を設立した。
Gates氏とAllen氏はウェブサイト「Gates Notes」に掲載された共同声明で、Roberts氏への哀悼の意を表した。
両氏は声明で、「Ed(Roberts氏)はパーソナルコンピュータ革命における真のパイオニアだが、これまで必ずしもそれに値する評価を得てきたわけではなかった」と述べた。「彼は、ユーモアあふれる偉大な人物であり、われわれを含め、彼のために働く人々を、いつも心から気遣ってくれた」(Gates氏とAllen氏の共同声明)
Gates氏は先週、病床のRoberts氏を見舞うために病院を訪れている。
「コンピュータが一般的なものとなるずっと前に、コンピュータに関心を抱いた若いわれわれに、Edは喜んでチャンスを与えてくれた。われわれは常に彼に感謝していた」とGates氏とAllen氏は述べた。「われわれが開発した、テストしていない最初のソフトウェアが、彼のAltairで動作した日は、多くの素晴らしい出来事の始まりだった。アルバカーキのルート66のすぐそばにあったMITSのオフィスで、Edとともに過ごした数々の楽しい思い出は、いつまでも忘れることはないだろう。そこでは、われわれの誰もが当時、想像することもできなかった、非常に多くの素晴らしい出来事が起きた」(Gates氏とAllen氏)
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。 原文へ