Kaspersky Labs Japanは4月7日、一般社団法人JPCERTコーディネーションセンター(JPCERT/CC)が運営事務局を務めるフィッシング対策協議会よりフィッシングURLデータの提供を受け、同社製品におけるフィッシング対策機能を強化すると発表した。Kaspersky Labs Japanが日本国内におけるフィッシング対策に関して、第三者機関との連携を図るのはこれが初のケースとなるという。
従来、Kaspersky Labs Japanでは独自の調査と観測によってフィッシング対策データベースを維持拡大してきたという。今回の連携は、対象製品におけるフィッシング対策機能の強化をより迅速かつ強力に実現することを目的としている。
対象となる製品は、法人向け製品の「Kaspersky Anti-Virus for Windows Workstation 6.0 R2」、および個人向け製品の「Kaspersky Internet Security 2010」となる。
Kaspersky Labs Japanによれば、この連携はフィッシング対策協議会が2010年2月に開始した「フィッシングサイトが停止するまでの間の利用者のリスク低減を目的として、フィッシング対策サービスを提供する協議会会員およびオブザーバー向けに、フィッシングサイトのデータを提供する」という取り組みに賛同し、協力するものであるとする。
JPCERT/CCが2009年度(2009年4月から2010年3月)に受け付けた、国内のブランドを装ったフィッシングサイトに関する届出の件数は、前年度の50件から360件と約7倍に増加しており、最近では携帯SNSサイト利用者を狙って個人情報を収集する新たな手口も確認されているという。フィッシングの手口が巧妙化し、件数についても増加を続けている状況をふまえ、Kaspersky Labs Japanとフィッシング対策協議会およびJPCERT/CCは、今後も協力、連携を図りつつ、安心してインターネットを利用できる環境の醸成に貢献していくとしている。