楽天証券は東京証券取引所(東証)の新株式売買システム「arrowhead」に対応する「フル板情報配信システム」にインメモリデータグリッド製品「Oracle Coherence」を採用している。同システムはarrowheadが稼働開始した1月4日から稼働している。日本オラクルが4月23日に発表した。
楽天証券の3月末現在のユーザー数は95万人。同社のフル板情報配信システムは、売買する株式の現在値や売り買いの気配値、引き条件付き注文、売買高、売買代金を含めた全板情報を配信する。楽天証券は、個人投資家向けにもプロのディーリングルーム環境を提供するというコンセプトのもとに同システムを構築することを決定している。フル板の情報は、同社の個人向けオンライントレーディングツール「マーケットスピード」などに配信されている。
楽天証券は、2009年10月にOracle Coherenceを採用して、フル板情報配信サービスの認証、セッション管理システムの構築を開始、1月4日のarrowheadの稼働開始にあわせてフル板情報を配信している。Oracle Coherenceは、高い信頼性と可用性でメモリベースのセッション管理ができるため、arrowheadから瞬間的にフル板情報を表示するだけでなく、取引時間の引けにかけて成り行きでどのような動きをするのかなどの参照もできるようになっているという。Oracle Coherenceが短期に構築可能であること、今後のサービス拡充にも対応可能なスケーラビリティ、ミッションクリティカルに応えられる日本オラクルのサポート体制などが採用のポイントだとしている。