SAPジャパンは6月28日、製品開発プロジェクトを包括的に管理する「SAP Portfolio and Project Management」を同日から提供開始すると発表した。
SAP Portfolio and Project Managementは、並行して進行する複数の製品開発、投資プロジェクトのポートフォリオを一元管理する「SAP Resource and Portfolio Management」と、製品開発プロジェクトを企画からプロジェクトの監視までエンド・ツー・エンドで支援する「Collaboration Projects」の新版を統合したソリューション。企画から製造、アフターサービスに至るまでの製品ライフサイクル管理ソリューションである「SAP Product Lifecycle Management(SAP PLM)」に追加される。
SAP PLM は、SAPの統合エンタープライズアプリケーション「SAP Business Suite」含まれるモジュール式のソフトウェアのひとつ。今回、SAP Portfolio and Project Managementが追加されることにより、現場から経営層までが、製品開発プロジェクトを包括的に同じ基盤で管理できるよう支援することで、縦断的に複数存在するプロジェクトの監視、管理がより強化されるとしている。
SAP Portfolio and Project Managementでは、プロジェクトの準備段階から戦略的にポートフォリオを診断、管理する。同時にポートフォリオ全体を俯瞰し、資金配分や最適な人員配置などのリソース管理、パフォーマンス管理を効率化するという。また、実際に開始したプロジェクトの作業や人員配置、コスト管理、現場レベルでのスケジューリング、成果物管理等を効率的に行えるとする。計画から製品の完成、プロセスの承認、製品開発に携わる外部とのコミュニケーションに至るまでのプロセスをサポートすることで、期限通りの出荷、不良原価の削減、意思決定プロセスの改善、プロジェクトの透明性の向上を実現するとしている。
さらに、同ソリューションでは、既存のSAPおよびSAP以外のビジネスインテリジェンス(BI)や基幹システムと連携し、各システム内の情報を活用するための分析機能を強化している。将来的には、協力型意思決定ソフトウェア「SAP StreamWork」とも連携する予定という。これにより、プロジェクトの構想段階に参加した複数人の製品コンセプトを集約し、ここで審査され通過したアイデアを実際のプロジェクトへと発展させることができるとしている。