日本オラクルは6月30日、同社の仮想化ソフトウェア「Oracle VM」が、2010年3月にインテルから発表されたマルチコア搭載の最新プロセッサ「インテル Xeon プロセッサー7500番台」に対応したと発表した。
最新版となる「Oracle VM 2.2 for x86」は、ハイパーバイザとしてXen 3.4を採用し、インテル Xeon 7500番台および5600番台において、搭載されているすべての物理コアを有効活用できるという。たとえば、Xeon 7500番台を4ソケット搭載した1台の物理サーバ上にインストールした場合、合計32個の物理コアを認識する。ユーザーは、Oracle VM上に複数の仮想マシンを作成する際、仮想マシンごとに仮想CPUを柔軟に割り当てることができるという。
また、CPUのオーバーコミット機能を活用することにより、物理コアの総数よりも多くの仮想CPUを仮想マシンに割り当てることができるため、CPUのリソースをフルに活用することが可能となる。さらに、1つの仮想マシンには最大32個の仮想CPUを割り当てることもでき、CPUのリソースを大量に必要とするシステムをサーバ仮想化環境で運用できるという。
加えて、QoS(Quality of Services)機能によって、仮想CPUの優先度や使用率などを指定し、仮想マシンごとに柔軟なCPUの割り当てを行えるとしている。
同社では、仮想サーバ環境へのシステム展開を迅速に行うためのテンプレートを「Oracle E-Delivery」上で公開しているが、従来の「Oracle Database」「Oracle WebLogic Server」「Oracle Enterprise Linux」「Oracle Enterprise Manager」に加え、今回新たに「Oracle Real Application Clusters」用テンプレートの一般公開を行った。これを利用することでユーザーは、サーバ仮想化環境上に2ノードのOracle Real Application Clusters構成を1時間ほどの作業で構築できるとしている。