食品酒類卸売業大手の国分は、日本ヒューレット・パッカード(日本HP)のデータウェアハウス(DWH)向けプラットフォーム「HP Neoview プラットフォーム」を導入、本稼働させた。日本HPが7月12日に発表した。
国分はこれまで、自社のDWH環境でエンドユーザーが求める高いパフォーマンスを実現するため、販売分析のための格納データ内容の異なる複数のデータベース(DB)と複数のオンライン分析処理(OLAP)システムを運用してきた。だがシステムが複数に分かれているため、売上データから商品単価別の明細データへと連続的にドリルダウンした詳細分析や非定型の分析が迅速にできないなどの問題を抱えていたという。また、システム構成が複雑になるにつれ、パフォーマンスを維持するためにDBの物理設計、チューニングなどを行わなくてはならず、運用の複雑化、作業負荷の増大、加えて熟練担当者のノウハウに依存するという属人化が生じていたという。
今回DWHに採用されたHP Neoviewは、第一次稼働として仕入れ、販売、収益などのデータを明細レベルで格納して、社内やグループ会社の営業担当者を中心とした4000人以上のエンドユーザーへ分析環境を提供する。複雑なDBの物理設計を必要としないHP Neoviewは、チューニングの負荷が極めて低いという特長があることから、従来環境では必要だったデータソース側の設計変更に伴う物理設計の変更や定期的なパフォーマンスチューニングの手間を大幅に削減できるという。
また、これまでパフォーマンス維持のためにグループ企業ごとに分割していた実績データを、ひとつのテーブルに統合することが可能になったという。これにより、検索のパフォーマンスや柔軟性を向上させつつ、既存システムと比較してテーブル数を約40分の1に削減できたほか、データ変換のために行っていた日次バッチ処理のジョブ数を約6000から約200に削減できたとしている。
国分は今後、傘下の国分グローサーズチェーンが展開するコンビニエンスストア「コミュニティストア」やほかの小売業の販売時点管理(POS)データを格納して、取引先である小売業に対して、より精度の高い提案業務を可能とするほかに、物流費の格納による収益管理の精度向上に活用するなど、より幅広い利用領域をサポートする統合DWHの構築を進めるとしている。