富士通、電子ペーパー利用の外来患者案内システム--待ち時間のストレス軽減

ZDNet Japan Staff

2010-07-12 18:18

 富士通と富士通ゼネラルは7月12日、病院の診察受付業務向けに、電子ペーパーを利用した外来患者案内ソリューションを開発し、販売を開始したと発表した。

 従来、病院に設置された診察順番表示システムでは、待合室で診察進行状況を案内しており、患者は受診する診察科付近に待機する必要があった。そのため、診察待ち時間に対するストレス解消や有効活用に対するニーズが高まっており、病院側においても外来患者へのサービス、アメニティの向上に向けた課題があったという。

電子ペーパー搭載の電子カードホルダー 電子ペーパー搭載の電子カードホルダー

 今回販売が開始されたソリューションは、電子ペーパーを搭載した電子カードホルダー(富士通ゼネラル製)を、独自の無線通信を利用して診療場所や検査場所を案内する患者ナビゲーションシステムと電子カルテシステムを連携させたもの。患者は、電子カードホルダーを受取り、背面に診察券を挿入するだけで受付が完了するほか、病院内のどこにいても、診察までの待ち人数などの状況を適時把握できる。また、診察の順番になると、振動や音により知らせる機能も実装されている。

 これにより、外来患者は診察までの待ち順番の状況や呼び出しを、表示と合わせて音と振動で知ることができ、病院内の無線通信エリア内であれば、待合室などの特定の場所で待機する必要がなくなるという。また、病院側は患者の誘導にかかわる時間を低減でき、看護業務に注力できるとともに、再来受付機と大型案内表示装置の台数削減による消費電力の抑制、CO2排出の削減に貢献できるとしている。同システムは、電子カードホルダーの表示部にカラー電子ペーパーを採用しているため、表示状態での消費電力は0ワットに近く、充電も1週間に1度で利用できるという。

 富士通は2009年7〜10月に、同社川崎工場の構内診療所である「富士通クリニック」に電子カードホルダー50台を導入。「実運用時の省電力性能と運用コストの削減効果」「無線配信性能の評価」「病院スタッフや患者による配信サービスの評価」の観点で、延べ400人の患者に対し実証実験を行ってきたという。その結果、患者の約95%に同ソリューションが好評だったとしている。

 外来患者案内ソリューションの価格は個別見積もり。出荷は2011年2月を予定しており、今後3年間で30システムの販売を目標とする。

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