日本プログレスは7月13日、「Progress Apama Capital Markets Foundation」新バージョンの提供を開始したと発表した。
同製品は、アルゴリズム取引、市場監視および取引監視、FX取引、eコマースなどを含む、ソリューションアクセラレータ(プレビルドのカスタマイズ可能なソリューション)の基盤。リアルタイム複合イベント処理基盤の「Apama Complex Event Processing(CEP)」プラットフォーム上に構築され、さまざまな資本市場トレーディングアプリケーションの開発を支援する高性能なプレビルド機能を提供するとしている。
新バージョンでは、新しいマーケットデータアーキテクチャにより、クロスアセット取引に必要なマーケットデータの処理性能と柔軟性が向上。数十万規模のマーケットデータを秒単位で更新できるApama並列イベント処理エンジンを最適な形で利用できるという。これにより、ミリ秒以下のレイテンシを維持しつつ、マーケットデータを有効なデータとしてアプリケーションへ取り込むことが可能となった。
また、新しい取引の種類や特性をネイティブでサポートし、アプリケーションの機能を充実することにより、クオンツトレーディングアプリケーション開発者の利便性を向上させるという。開発者は、同基盤を使用することで、異なる価格情報およびデータ入力を処理し、BBO、Market-By-Price、Market-By-Order、RFQ、Tradesを含む現在レートの交換が可能となる。それらを金融トレーダーが使用するアプリケーションに合わせて単一のカスタマイズ可能な形式に変換できるという。また、分析機能が拡張されたため、サードパーティの分析ソリューションやQuantlib、Matlabなどのプラグインツールと統合することができるとしている。
同基盤の基本コンポーネントである「リスクファイアウォール」により、トレーディングアプリケーションおよびリスク管理アプリケーションで、プレトレードリスク管理をリアルタイムに行えるようになった。リスクファイアウォールには、企業のマーケットリスク許容度を超える取引や電子取引注文において、いわゆる「ファットフィンガー」トレードと呼ばれる誤入力などを阻止する機能が含まれる。このような機能は、今日の動きの激しい市場において取引を効率的に行う上で不可欠で、特に高頻度取引を補完するものとして有効だという。
さらに、フルマッチングエンジンが実装されることで、交換シミュレーターが改善され、トレーディングストラテジーの実装前に、事前バックテストを効率的に実施できるとともに、内部流動性プールが作成可能になった。新しいレイテンシ計測機能により、開発者は、トレーディングストラテジーのアプリケーションコードにある各ステップ間のレイテンシーを計測できるようになった。その結果、作成しているストラテジにおける機会の最適化を特定でき、トレーダーのアプリケーションの性能向上を支援できるという。日本プログレスでは、新しいサンプルコードと入門用トレーディングストラテジを提供するとしている。