日立情報システムズ(日立情報)は8月2日、電子自治体ソリューション「e-ADWORLD2」のSaaS型サービス「e-ADWORLD2/SaaS」を、5団体の自治体から受注したと発表した。 今回、導入を決めたのは、東京都島しょ部の御蔵島村、新島村、青ヶ島村、三宅村、および奈良県北葛城郡王寺町の5団体。
e-ADWORLD2/SaaSは、e-ADWORLD2の機能をハードウェアやソフトウェアを導入することなく短期間、低コストで利用できるSaaS型のサービス。e-ADWORLDが持つ機能とインターフェースを、日立情報の仮想化技術、クラウド構築技術、システム運用技術を活かしたデータセンターから提供する。同サービスは、 総務省「光ブロードバンドの活用方策検討チーム」が実施している自治体の行政改革モデル検証「Webによる行革可能性検証」にも参画している。
これまで日立情報では、東京都島しょ部の御蔵島村、新島村、青ヶ島村、三宅村に対し、データセンターでサーバを預かるアウトソーシングの形態で業務システムを提供してきた。2009年10月、御蔵島村が、新住民基本法対応システムとしてe-ADWORLD2/SaaSを採用し、利用を開始。新島村、青ヶ島村、三宅村でも10月より利用開始する予定だ。 同サービスの導入により各自治体では、離島特有の立地条件をSaaS型サービス導入により克服するとともに、操作性の改善などを通じて業務効率向上を図ったという。また、利用開始までの期間も従来の約半分と短縮化され、早期導入を実現したとしている。
また、奈良県北葛城郡王寺町(王寺町)からは、2010年6月にe-ADWORLD2/SaaSを受注した。王寺町では、2011年4月より住民情報、税業務、介護、福祉、内部事務業務の各サービスにおいて利用を開始する予定だ。 王寺町では、これまで導入型の業務システムを採用していた。今回、SaaS型サービスを利用するにあたり、運用コストの軽減効果、高水準の安全性とセキュリティを備えたデータセンタでの運用を評価して、e-ADWORLD2/SaaSを採用したとしている。運用コストは、個別のカスタマイズをせずに、同一のシステムを複数の利用団体に提供するマルチテナント方式の採用により、導入版システムと比較して約30%減となる見込みとしている。