日立情報、クラウドサービスを本格展開--XaaS提供、プライベートにも対応

富永恭子(ロビンソン)

2010-01-25 15:33

 日立情報システムズは1月25日、ビジネスクラウドサービス「BusinessStage」の提供を開始したことを発表した。パブリックとプライベートの両方の特徴を兼ね備えているという。

 BusinessStageは、高い信頼性と高いセキュリティを保持しつつ、総所有コスト(TCO)の最適化を両立させたXaaSを提供するとともに、ユーザー企業のIT資源を、日立情報のXaaS、専有するIT資源、パブリッククラウドへとユーザー企業のビジネス状況に応じて配分、シームレスに連携させることでユーザー企業のシステムの全体最適化を実現できるとしている。

 BusinessStageで提供されるXaaSは、SaaSとPaaS、IaaSの3つのレイヤから構成。SaaSは、保険業向けの「AGMate」や外食業向けの「BistroMate」などの“特定業種向け”、電子自治体向けの「e-ADWORLD2」など3サービスを含む“公共向け”、中小規模企業向け15サービスで構成される“共通業務向け”という3つの区分からなる。

 PaaSは、ビジネスサービス販売プラットフォーム「BIZPARK」が用意されている。IaaSには、リソースオンデマンドサービスとして「BusinessStage ROD」が提供される。

 BusinessStage RODは、従来から提供してきたリソースオンデマンドサービスの内容を強化したもの。日立情報のデータセンターにプールしたIT資源を必要な時に必要なだけ提供するサービスに加えて、さまざまな利用形態に応じた「エコノミーモデル」と従量制課金体系を追加している。また、ネット接続サービスと仮想マシン利用の組み合わせモデルをより短納期で提供できるようになっているという。

 BusinessStageは、XaaSとともにリアルビジネスアシストサービスも提供される。リアルビジネスアシストサービスは、日立情報のXaaSとユーザー企業が専有するIT資源、パブリッククラウドをユーザー企業のビジネスに応じて組み合わせ、連携するサービスになる。

 そのリアルビジネスアシストサービスの一つとして、災害復旧(DR)サービス「BusinessStage DR」の提供を始める。BusinessStage DRは、ユーザー企業が専有するIT資源の災害時に、日立情報のXaaSを活用してシステムを復旧させるというもの。データとサーバ環境の復旧を導入しやすい価格で提供できるとしている。

 BusinessStageでは、プライベートクラウド構築運用サービスとして「BusinessStage Premium Private」も提供される。BusinessStageを構成する各サービスを適用して、ユーザー企業の事業特性に応じた専用クラウドを短期間で構築するというサービスだ。ITILフレームワークに準拠した手法を活用して、導入計画から運用、改善までを総合的に提供するとしている。

 日立情報では、BusinessStageを構成するサービスを約3カ月単位のフェーズで順次提供していく。今回提供を開始したサービスは“フェーズ1”になり、ユーザー企業から要望が高かったものを取り揃えたとしている。今後も日立製作所グループのクラウドソリューション体系である「Harmonious Cloud」の一つとしてBusinessStageを積極的に展開して、2012年3月期に売上高100億円を目指す。

 日立情報は、IT資源を仮想化してユーザー企業にオンデマンドで提供する「プール化構想」を2006年に発表。その基盤としてデータセンター設備を強化、クラウドサービスのインフラ整備を進めてきたという。その一環としてクラウドの中核技術となる仮想化にも重点的に取り組み、ITコストの最適化を図る商品やサービスを取り揃えた「VSolution」を2009年から開始している。

図 BusinessStageのサービス構成

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    Pマーク改訂で何が変わり、何をすればいいのか?まずは改訂の概要と企業に求められる対応を理解しよう

  2. 運用管理

    メールアラートは廃止すべき時が来た! IT運用担当者がゆとりを取り戻す5つの方法

  3. セキュリティ

    従来型のセキュリティでは太刀打ちできない「生成AIによるサイバー攻撃」撃退法のススメ

  4. セキュリティ

    AIサイバー攻撃の増加でフォーティネットが提言、高いセキュリティ意識を実現するトレーニングの重要性

  5. セキュリティ

    クラウド資産を守るための最新の施策、クラウドストライクが提示するチェックリスト

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]