企業は「Microsoft Exchange Server 2010」(以降、Exchange 2010)への移行に二の足を踏んでいるようである。しかしそういった企業は、コスト削減に役立てることのできる新機能を自ら利用していないことになる。
Plan-Netの調査によると、調査対象企業の87%がMicrosoft Exchange Server 2003(以降、Exchange 2003)、あるいはそれ以前のバージョンのMicrosoft Exchange Serverを使用しているという。多くの企業は、Microsoft Exchange Server 2007(以降、Exchange 2007)を欠点だらけで導入する価値のない、サーバ版のWindows Vistaであると考え、移行を見送ってきた。しかし、改良された最新バージョンへのアップグレードは、もはや無視できない選択肢となってきている:Exchange 2003に対する標準サポートは1年以上前に終了しているうえ、最新バージョンは大きな技術的進化を遂げているためである。
とは言うものの、移行に二の足を踏んでいる企業が、時代遅れになっているとはいえ慣れ親しんでいるシステムを捨て、改良された新バージョンのExchange 2010を導入するには、それなりの理由が必要となるだろう。Exchange 2010では、事業継続性や復旧性の追求が容易になっており、仮想化の活用が可能になるなど、さまざまな点で進化している。そこで以下に、企業がExchange 2010に移行すべき理由を10個紹介する。
#1:連続レプリケーション
ある国際的な調査によると、企業が電子メールを使用できなくなった場合、1時間当たり1万ポンドあるいは1万ドルの損失が発生するという。Exchange 2010ではデータの連続レプリケーションが可能となっているため、障害の影響を劇的に軽減し、そういった障害によって発生する企業損失も抑えられるようになっている。またMicrosoftによると、事業継続性の向上も考慮に入れた場合、Exchange 2010の配備コストは6カ月以内に回収できるという。
#2:仮想化
Exchange 2010は仮想化をサポートしているため、サーバの統合が可能になる。サーバを仮想化することで、サーバ自体にかかるコストを削減できるだけでなく、保守やサポート要員、電力、冷却、スペースに関連するコストも削減できるようになる。同時に、事業継続性を向上させることも可能となる--ある仮想マシンが停止してしまったとしても、他の仮想マシン上で業務を継続することで、ダウンタイムをなくすことができるわけである。
#3:ストレージにかかるコストの削減
Microsoftによると、Exchange 2010におけるディスクI/OはExchange 2007のそれの70%以下であるという。このため同社は、SANストレージを用いたソリューションではなく、より安価なストレージを直接接続する形態を採用するよう勧めている。これはつまり、ほとんどの企業にとって、実質的に大幅なコスト削減が可能になるということを意味している。