プロジェクトの納期が守れそうにない、あるいは予算を超過しそうだと知って慌てふためくマネージャーをよく見かける。とは言うものの、プロジェクトが問題に直面していることを示す兆候を見逃してしまっている場合もよくあるものだ。
この件に関して『Early Warning Signs of IT Project Failure:The Dominant Dozen』(失敗するITプロジェクトの兆候:主な12のサイン)という学術論文を執筆するために、2人の研究者が19人の専門家と55人のITプロジェクトマネージャーの協力を得てデータを収集した。そして彼らは、「重要な兆候や問題に対する「初期の警戒信号」はしばしば、プロジェクトが実際に失敗に終わる時点よりもずっと前から存在していたという、重要な教訓につながる事実を発見したのだった。
この論文では以下のように、人材面でのリスクと、プロセス面でのリスクに分けたうえで12の兆候を説明している。
人材面でのリスク
プロセス面でのリスク
- マネジメント上層部からのサポートが不十分である
- プロジェクトマネージャーの力量が不足している
- 利害関係者による関与や参画が不十分である
- プロジェクトチームの熱意が不足している
- チームメンバーの知識やスキルが不足している
- 該当業務を対象とする専門家のスケジュールが過密である
- プロジェクトの投資対効果に対する検討が欠如している
- 要件や成功基準に関するドキュメントが存在していない
- 変更管理のためのプロセスが欠如している
- スケジュールの立案や管理が不十分である
- 利害関係者間のコミュニケーションが円滑に行われていない
- リソースがより優先順位の高いプロジェクトに割り当てられている
失敗に終わるITプロジェクトが相変わらず多いということに目を向けた場合、多くの企業は上記の兆候を見逃してしまっていると考えられる。その理由を推測することもできるが、ここでは少なくとも明確な事実を1つ挙げておきたい。エンタープライズソフトウェアの構築にあたる企業は、プロジェクトにおける失敗の兆候をできるだけ早期に把握するよう努めるべきであるということだ。
まさにこの件に関して、CIOの擁護者であるChris Curran氏が、ITプロジェクトを失敗に導く問題の「微弱なシグナル」を察知するいくつかの方法について解説している。
われわれは、基本的ではあるものの目に見えづらい兆し、すなわちプロジェクトが成功に向かっていないということを示す兆候を見逃してしまっているのかもしれない。こういった兆し、すなわち微弱なシグナルに気付き、注意深く見守り、必要に応じて対策を取るには、普段とは違う心構えが必要となる。
なお筆者の意見として、リスクの兆候を察知するために注意深く耳を傾けることの重要性を強調しておきたい。このことはいくら強調しても強調し過ぎることはないはずだ。
最後に、あなたの企業では、プロジェクトが失敗に向かっているという微弱なシグナルをうまく察知できているだろうか?
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。