富士通、東京大学の学内業務システム共通基盤を構築--仮想化でサーバ台数70%削減

ZDNet Japan Staff

2010-09-30 14:49

 富士通は9月30日、東京大学の学内業務システムの共通基盤を、同社のブレードサーバ「PRIMERGY」と仮想化ソフトウェア「Hyper-V 2.0」で構築したと発表した。

 従来、全国の国立大学では共通の業務アプリケーションを使用していたが、2004年の国立大学の法人化にともない、各大学の特長を生かしたそれぞれの業務システムを構築するなど、情報システムのあり方が大きく変化したという。

 東京大学においては、管理部門ごとに業務システムを個別に構築していたため、ハードウェアの種類や設置場所がバラバラで、ハードウェアリソースの有効活用や管理部門別の運用管理の負荷などが課題となっていた。東京大学では、情報システム本部の主導で全学的な情報システムの基本方針を2009年に立て、計画的にシステムの導入運用を行う取り組みをスタート。その第1弾として、業務システムのインフラ刷新を行い、仮想化技術を用いた業務システムの共通基盤を構築し、2009年12月に稼働させたという。

 この共通基盤は、富士通のブレードサーバ「PRIMERGY BX620」5台と仮想化ソフトウェア「Hyper-V 2.0」を組み合わせて構築したもの。学内ポータルサイト、共通ID管理システムなど5つのシステムが仮想化サーバに移行され、運用されているという。これにより、5つのシステムで使用するサーバ台数の70%削減や、セキュリティ対策のアップデートなどに伴う停止時間の短縮、運用管理コストの低減を実現したとしている。

 また、Hyper-V 2.0の活用により、ライブマイグレーションが可能となり、3月に実施したブレードの追加とメモリ増強作業の際に、業務システムのサービスを一切停止させずにリソースの増強を行うことができたとしている。さらに、4月の新規業務アプリケーション構築の際に、同共通基盤を活用することでハードウェアの追加投資をせず、迅速かつ柔軟にサービスの提供を開始できたという。

 東京大学では今後、現在稼働している他の業務システムだけではなく、新規のシステムについても可能な限りすべて、この共通基盤に仮想化統合していく予定だという。

東京大学学内業務システム基盤のシステム構成イメージ 東京大学学内業務システム基盤のシステム構成イメージ(出典:富士通)

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. 運用管理

    メールアラートは廃止すべき時が来た! IT運用担当者がゆとりを取り戻す5つの方法

  2. セキュリティ

    AIサイバー攻撃の増加でフォーティネットが提言、高いセキュリティ意識を実現するトレーニングの重要性

  3. ビジネスアプリケーション

    新規アポ率が従来の20倍になった、中小企業のDX奮闘記--ツール活用と効率化がカギ

  4. ビジネスアプリケーション

    改めて知っておきたい、生成AI活用が期待される業務と3つのリスク

  5. ビジネスアプリケーション

    カスタマーサポート業務で生成AIはどう使えるか、代表的な活用場面を解説

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]